把瑠都への帰れコールに思う。
2日前に、把瑠都が立ち合いで変化した際、
観客席から前代未聞の現象が発生した。
何と、「帰れ!」の大合唱になったのである。
立ち合いの変化の是非については別の機会に
論じることにするが、
遂にここまで来てしまったか、と
大変悲しい思いになった。
だが、立ち合いの変化については
事前の期待を裏切られたことから
大変腹立たしい思いを抱いたのは事実である。
把瑠都は優勝争いのトップを走り
夢にまで見た初優勝が見えてきた矢先、
相手は強敵の稀勢の里。
ファンとしては当然、ハイレベルな取組を期待する。
私も同様だった。
それをこのような結末を迎えたのだから、
落胆を通り越して怒りを覚えるのは
ごく自然なことである。
だが、把瑠都の立場に立って少し考えてみよう。
稀勢の里はまともに組むと大変危険な相手であることは明白だ。
何しろ1敗でここまで追走してきている。
大関昇進したてで勢いも有る。
そして、大観衆のかなりの割合が稀勢の里を
応援していると来ている。
確かに自身も好調ではあるが、
不安な要素は拭い去れない。
弱気にもなる。
と、そんな刹那。
稀勢の里の立ち合いが低い。
把瑠都の頭の中では当然こう思う。
あれ?
これは引けば勝負が決するのでは?
喉から手が出るほど勝ちが欲しい把瑠都は、
考えが過ったと同時に身体が動いてしまった。
恐らくこんなところだろう。
このような背景が有る力士が
出来心で立ち合い変化した場合、非難出来るだろうか?
私には出来ない。
私が把瑠都を100%責められない理由。
それは、把瑠都の気持ちが判るからである。
相撲が好きで、把瑠都のこれまでを観てきた人であれば
こうした事情に少しでも思いを巡らせることになるはずなのだ。
ブーイングというのは、相手の気持ちを
考えられない人間でなければ出来ないことである。
それ故、日本文化の色彩が大変濃い
大相撲の中では見られなかった現象であった。
観る側にも美学があり、こうした日本的な
美意識を踏襲した上で応援する。
勝って奢らず、負けて腐らず。
負けた相手の悔しさ、不甲斐なさが判るからこそ
勝った力士を称えるに留まる。
それが、観る側の品格だったのである。
繰り返しにはなるが、私はあの相撲内容には憤りを覚えている。
だが、その気持ちをダイレクトに表すことは
相撲観戦の良き雰囲気を台無しにしてしまうことを心得ている。
大変悲しいことではあるが、
外国人横綱に対して品格を求めながら、
観ている自分達の品格が著しく低下している
この現実から目を背けてはいけない。
力士の名前を書いた紙をワサワサさせたり、
土俵から背を向けて力士の名前をコールしたり、
一体なぜ、こうした応援をかつてはしていなかったのか、
もう一度考え直す時が来ていると、私は思う。
皆さんに同感です。
把瑠都は、相撲を愛し、真面目にやってくれて、うれしく思っています。
同時に、観客側の品格の向上を希望します。
「帰れ!」と言ったり、ブーイングしたり、…
昔は、最後の一番のあと、座布団を投げるなど、見苦しい、ことは、やらなかったと思う。
テレビ桟敷で注目していましたが、把瑠都が充分に手を付いて稀勢の里が不利と見て得意の焦らし戦法に出たので、把瑠都も
気が変わり変化したと思います。責められるべきは、稀勢の里
の立合いにあると思います。
咄嗟に立会いを逃げた把瑠都が悪いというよりも、逃げるスキを与えて負けた稀勢の里がダメでしょう。
それにしても、稀勢の里は張り倒されたり、優勝を狙うにしては少しスキが多すぎる気がします。
気難しそうで神経質な風貌もマイナス材料。横綱の器といえるかについては疑問符がつくと思います。
大一番への期待の強さを考慮しても酷い話だと思います
もう品格なんて言葉を使うと、「どの口でそんなことを・・」と言われても仕方ないと思います
当日、国技館の中で西桟敷Aで見ていました。
新聞報道や、テレビ放送の集音の関係も、あって、ことさら、帰るコールやブーイングが大きくあったかのように、なっていますが、実際は、帰れコールは、正面桟敷Bの人グループの、特にひとりがあげていたもので、国技館の中では、かなり少数でした。ブーイングの嵐などもなく、あっけにとられた感じが本当のところです。逆に、把瑠都が支度部屋に戻る時に、先ほどの、心ない、ある意味、差別的なコールを、謝罪するような、拍手がわきあがりました。
>亀山さん
コメントありがとうございます。
確かに稀勢の里の立ち会いは悪かったですね・・
いろんな側面に思いを馳せて、
なぜそうなるのか?を考えることって、
マナーだと思います。
そういうマナーが守れているから、
相撲は相撲として成立するのだと
今回の件を通じて再認識しました。
>大五郎好きさん
コメントありがとうございます。
品格って言うのも、朝青龍を批判する上で
使い始めた言葉ですからね…
結局そういうものって自分達に返ってくるんです。
正義を振るうのであれば、自らも正義であるべきだと
今回の件を通じて思いました。
>huchai さん
コメントありがとうございます。
その話を聞いて安心しました。
力士と観客は高め合う関係にあると
私は考えていたので、このニュースで
その関係が完全に崩壊したのかと考えていましたが、
そうではなかったのですね。
しかし、やはりそういう人が居ることは事実なので、
観客がどう在るべきかを彼らに示していく
必要が有ると感じました。
全くその通りですね、品格と言う言葉が適当かどうかは分かりませんが、観客もそれなりの覚悟で観戦すべきです。ただ感じたままを表現すれば良い訳ではない。特に相撲はそうです。他のスポーツとは違うのですから。まあスポーツ一般の観戦にしたって礼儀とか、相手(選手)を慮る態度は欠かせません。特に帰れコールとかは有り得ないでしょう。どんな相撲内容だったとしても。自分(観客)の思い描いた相撲じゃなければ帰れコールだなんて幼すぎます!観客になる資格無しでしょう。そういう人はテレビの前でいくらでも帰れコールを怒鳴りたてれば宜しい。メディアも無視すべきです。資格の無い観客が紛れ込んでいたんですから。それにしても言われるように目立つ格好でTVに写らんが為の行為、相撲中継で見るのは非常に気分が悪い。千秋楽の一番でも柔道の谷が居たけど、あんな所に立ってるって許されるの?
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