日馬富士に見る、横綱昇進の基準の是非とは? 後篇

日馬富士に見る、横綱昇進の基準の是非とは? 前篇
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/nihiljapk/article/141
日馬富士の横綱昇進に伴い、横綱昇進の基準について
再考する必要があるのでは?
ということで問題提議はしてみたのだが、
確かに2場所連続優勝については疑問が残るが
これに代わる指標となるとなかなか難しい。
だが私はここで考えた。
横綱と同等の成績を残している者を
横綱にすればいいだけでは?と。
では、横綱に値する成績とは、どのような
基準で選べばいいのだろうか?
考えてみた条件は、以下のとおりである。
1.マックス型要素:優勝期待値
⇒平均的に勝てても、平幕には強いが大関には勝てない、
 というのでは意味が無い。
 そこで、相撲界を牽引するのに必要な実績、
 優勝回数の平均値を調べる。
2.アベレージ型要素:休場場所以外での平均勝利数
⇒優勝は出来てもムラが有っては横綱としての
 威厳に問題が出てしまう。
 平均して成績を残せるか、という基準について
 休場場所を除く1場所辺りの平均勝利数を調べる。
3.健康:1年あたりの休場確率
⇒実力は有っても、休みが多いと横綱目的で来た
 観客を落胆させることになってしまう。
 休場した場所数の平均値を調べる。
上記の基準で過去の横綱の平均値を調べることにした。
ちなみに横綱としてサンプルに挙げたのは、
短命でない、横綱として役割を全うした力士の
全盛期の成績である。
生涯優勝回数をベースに選定し、
力の衰えた場所を除く、全盛期と思しき期間について
算出している。


・平成10年代代表:武蔵丸(生涯優勝回数:12回)
⇒対象期間:平成11年7月~平成14年9月
・昭和60年代代表:北勝海(生涯優勝回数:8回)
⇒対象期間:昭和62年7月~平成3年3月
・昭和50年代代表:輪島(生涯優勝回数:15回)
⇒対象期間:昭和48年9月~平成54年9月
・昭和40年代代表:北の富士(生涯優勝回数:10回)
⇒対象期間:昭和45年5月~平成48年7月
さて、条件が出揃ったところで、上記3項目について
抽出した結果は以下のとおりである。
何と4力士について概ね似通った値が出る、という
驚くべき結果であった。
優勝確率 平均勝利 休場確率
武蔵丸 0.35 12.0 0.15
北勝海 0.35 11.8 0.15
輪 島 0.34 12.0 0.16
北富士 0.33 11.6 0.17
平 均 0.34 11.8 0.16
つまりこれを考慮すると、横綱として
平均的に求められる成績については以下の通りである。
・1年で2回優勝
⇒優勝確率:0.34×6場所≒2
・休場場所以外での平均勝利数:12勝
⇒平均勝利数:11.8を切り上げて12勝とする
・1年あたりの休場場所数:1場所以内
⇒休場確率:0.16×6場所=1
いわゆる短命横綱と言われるのが概ね12場所以下とされていることから、
確実を期すのであれば上記基準で2年間、
長くてだれてしまうというのであれば1年間を対象期間とすると
少なくとも早期に引退勧告というような事例は
かなりの確率で避けられるのではないかと思う。
とはいえ、平等に一つの基準を設けるという意味では
役割を果たすかと思うが、
番付の状況は毎回異なるため、綱取りに挑む
全員が平等という訳ではない。
例えば今は6大関ではあるが、過渡期であれば
2大関ということも想定される。
そうした中で同じ基準を適用しても、
実力が有っても横綱に昇進できない事例が発生しかねない
という問題点は否定できない。
抜本的な対策案が無いわけではない。
そう。
地位の撤廃・ランキング制の導入、である。
横綱や大関といった地位を全て廃し、
一定期間の成績をサンプルとして各力士を
成績順にランクしていく。
そして、番付が近いもの同士で15日間取組を作るのだ。
こうすれば横綱の引退問題も、大関互助会的な
疑惑解消も期待できるが
反面で今まで培ってきた相撲文化を壊すことにも繋がり、
味気ないという感想を抱きかねない。
その上横綱や大関昇進という相撲を観る上での
一つの重要や関心事が無くなってしまうので
メディアに取り上げられる機会の喪失や
ファン離れに繋がる恐れが出てしまう。
一般人にも分かりやすい基準を設けることは
競技の透明化や関心の惹起という意味で効果的だが
自縄自縛になる恐れもある。
そして体制を根本的に変えることは
競技の本質を転換することにも繋がりかねない。
一つだけ言えること。
それは、日馬富士が横綱として職責を全うすれば
何も問題無いということである。
これからの日馬富士から目が離せない。

日馬富士に見る、横綱昇進の基準の是非とは? 後篇” に対して 3 件のコメントがあります

  1. 事務局=コメント投稿ID oshiraseです より:

    ご投稿いただいた記事がスパム判定となってしまい、ご不便をお掛けし申し訳ありません。
    設定を変更しましたので、原文のまま投稿可能となっておりますので、ご投稿頂けると幸いです。

  2. ぷぱ より:

    サンプルに挙げられた力士のような力士を横綱に昇進させるという点で優れた基準だと思います。
    逆に言えば、何故それら力士が横綱のラインとなるのかという点がこの基準の評価に関わってくると思います。

  3. nihiljapk より:

    コメントありがとうございます。
    今回サンプルにした力士は
    短命でない、その時代に足跡を残した力士です。
    しかし、圧倒しているほどのレベルではないというのが
    ミソで、この辺りが横綱として求められる
    レベルではないかなと思うのです。
    少なくともそういう水準を1年残せば、
    その人は1年はやれることを証明できるわけで、
    すなわち横綱としてやっていけると言える、
    というのが私の説です。

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