「すもうねこ」終了。どん底の頃から支えてきた「同志」の、功績と素晴らしさとは?

「すもうねこ」の時代

一時代を築いた誰かが無くなると、「昭和が終わった」と言う人が居る。

30年前から昭和なんて終わっている。今更何を言うんだと思う。いつまで昭和気分で居るんだと思う。昭和の次の平成になってから30年が経ち、平成の歴史すら終わろうとしているのだ。

もう、次に進まねばならない。
今、何をしなければならないのか。
そういうことを考える時期に来ていると私は思う。

話は少し逸れてしまったが、私の中で一つのことが終わったと思う出来事があった。
誰かの引退ではない。
そう。
「すもうねこ」が最終回を迎えたのである。

ご存知無い方のために説明すると「すもうねこ」というのは、はすまるさんが描く、猫の力士が主人公の相撲漫画である。当然猫が力士になることも無いし、リアルを求める作品でないことはキャラクター設定からも明らかだ。

猫が何故か力士になるのだが、他の力士は全て人間だ。犬の国王が居たり、狼男が天下一武道会に出場するドラゴンボールのような世界観とは異なる。あくまでも「すもうねこ」だけが特殊なのであり、彼以外は至極真っ当だ。

設定だけを考えると、何が面白いんだろうと思う。この面白さを伝えるのは「水曜どうでしょう」を全く知らない人にそれを伝えるのと同じくらい難しいと思う。これは恐らく、言葉で伝える類の面白さではないのだろう。

何が面白いのかはよく分からない。でも、どこか放ってはおけなくて、アップされると何となく読んでいる。ツイッターにアップされ、ウェブで楽しむことが出来る。そういう読み方が非常によく合っているのだ。

大相撲人気がどん底の2010年に始まり、人気を獲得すると、ウェブだけではなく単行本として出版され、それだけでは飽き足らず、NHK Eテレでも放送され、更には大相撲アプリにまで進出となった。このような作品、存在は「すもうねこ」だけだったと思う。

続けられる「凄さ」

この作品の面白いところは、作者が明らかに相撲が好きだということだ。思い付きの設定というよりは、作者のはすまるさんが相撲が好きということが起点となって漫画が描かれているのだ。その競技に魅せられ、書きたい世界が有るからこそ、彼女は1000回以上も「すもうねこ」を描くことが出来たのである。そうでなければ、かなり早い段階でネタ切れを起こしてしまうことは確実だ。

形は違えど、私も2011年に「幕下相撲の知られざる世界」を始めた。どん底の頃から相撲の楽しさを描いてきた、いわば同志である。

低迷から立ち直り、相撲人気はV字回復し、黄金時代を迎えたと思われたところで不祥事が起こり、大相撲はまた世間との闘いを余儀なくされた。これが、はすまるさんが「すもうねこ」を描いてきた8年の間の出来事だ。たかだか8年と思うかもしれない。だが、それでも8年だ。小学校に入学したばかりの子供が、中学3年生になるだけの年月である。これはもう、一つの時代だ。

同じ時代に同じ志を抱いたものが、役目を終える。寂しいことだが、作品には終わりがやってくる。そう考えると、日々の相撲について書くというフィールドだからこそ私は今も続けられているのかもしれない。

ご存知の方も多いと思うが、「すもうねこ」と「幕下相撲の知られざる世界」は2年前にコラボ企画を行っている。

当ブログの1000万PVを記念して、缶バッジをはすまるさんデザインで作ったのだ。当ブログのロゴと、すもうねこが並ぶ缶バッジである。無料で郵送すると発表したところ、問い合わせが殺到した。バッジだけ送付するのは味気ないので、手書きで手紙を書き始めのだが、半日で後悔した。それほど途方もない量だったからだ。結局私はこの缶バッジを200個作成する羽目になった。作れば作るほど赤字になるという、中々の地獄だった。だが、それも楽しかった。

「すもうねこ」はどん底の相撲を救った功労者だと思う。ただ相撲はもう「すもうねこ」に頼ることは出来ない。あの頃のはすまるさんのような志を持った誰かが現れるのだろうか。いや、現れて欲しい。次の「すもうねこ」の存在が、相撲が浮上するカギだと私は思うのだ。

誰かまだ、この缶バッジを欲しい方は居るだろうか。一応募集してみようと思う。ああ、あの頃を思い出して手紙を書くのも悪く・・・いや、やはりあれ、凄く大変なのだが、欲しい方が居たら makushitasumo@gmail.com までご連絡いただきたい。

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お知らせ

◆トークライブのお知らせ◆
6月9日18時より錦糸町丸井のすみだ産業会館でトークライブ「第7回幕内相撲の知ってるつもり!?」を開催します。
今回も週末に実施します。テーマは「歴代一位」ですので、是非お越しください。
トークライブの予約サイトはこちら。

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