ガンバ大阪のJ2降格と幕下相撲の相関関係に見る、悲惨な物語がもたらす魅力とは?

ガンバ大阪がJ2に降格した。
数年前にマンチェスターユナイテッドと
ひりつくような打ち合いを演じた、
Jリーグ屈指の名門が短期間で二部落ちというのは
大変なショックである。
J2に降格すれば観客動員は激減、
スポンサーは撤退、
故に主力選手は放出というのがよく有る流れで、
親会社の経営が火の車であるガンバ大阪は
同様の道を歩むことも一つの可能性として考えられている。
何と厳しい環境か。
給料がゼロ、第二の人生など何の保証も無い世界で、
またそんな中未完成ながらも自らの未来を賭けて
幕下相撲で戦う力士達を観ている私ですら
Jリーグに於ける降格についてはシビアだと感じる。


降格は選手にとってもクラブにとっても
大打撃であることは間違いない。
主力選手は下のカテゴリでパフォーマンスを
維持出来るか考えるとクラブに対する愛着を
天秤に掛けても残留という選択をしづらい。
ましてや一生に一度のサッカー人生の中で
稼げる期間など多寡が知れている。
ドログバが中国に、フッキがロシアに、
カンナバーロが中東に行く時代なのだ。
一度降格すれば、少なくとも一年は戻れない。
だからこそ、何としてでも降格は避けたい。
この辺りは幕下相撲で言うところの
1場所の負け越しが2場所・3場所のロスに繋がることに
非常に似通っている。
一度の大怪我が序二段、序の口まで地位を落とすことに繋がるし、
負け越して地位を落としている間に大卒エリートや
期待の外国人が次々と番付を上げるので
努力だけでのし上がってきた力士は
地位を守るにも上げるにも途方も無い苦労が伴う。
ようやく作り上げた自分の相撲スタイルも
一度の怪我や不調で変質してしまう。
1年前に十両クラスの力士を圧倒していた吐合が
2ヶ月後には幕下10枚目程度の力士でさえ倒すことが困難になり、
今では三段目の足音が聞こえる地位にまで身を落としてしまっている。
いずれにしても、人生でも分岐点と成り得るだけの
リスクを毎年賭けて闘っているのだから、
その試合が魅力的にならないわけが無い。
リスクの大きさはコントラストとして
悲惨な未来を生み出し、
そのリスクが物語を紡ぎ出す。
未来が悲惨であれば悲惨であるだけ、
観る側も目の前の物語に感情移入することになる。
J2の入れ替え戦やJ1の最終節の観客動員が
素晴らしく良いのはその証左である。
J1は戦場、J2は魔境と言われる。
そして私は幕下は毎日がデスマッチだと表現する。
残酷すぎる物語にこそ、人は魅せられると私は思う。
そう。
私達は残酷な生き物なのだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)