大谷翔平のメジャーリーグ・国内球団の2択に見る、アマチュア力士の運命を分ける2択とは?後篇

大谷翔平のメジャーリーグ・国内球団の2択で思ったこと。
直接メジャーは、ハイリスクハイリターン。
国内経由は、ローリスクローリターンだということ。
国内では国内野球に特化したスキルを身に付け、
そして若いころから経験を積ませてくれる。
それ故、メジャーでも通用するだけの実力には成れる
可能性が高くなる。
だが、国内野球に特化した結果、
メジャーリーグへの適応という問題が発生するので
何かを捨てる必要が出てくる。


ストライクゾーン、滑るボール、ムーブ系のボール、
過密日程、練習スタイルの違い、天然芝、マウンド…
何かに対応できない場合、成功する確率は
極端に落ちてしまう。
結果として短期間での順応を目的としてセカンドへのコンバートや
チームバッティングへの転向といった、個としての価値を
落としながら「通用する」方面で生き残りを賭けることになる。
つまり、国内野球を経ることは若いころからチャンスが与えられ、
通用するための準備が出来るという意味でローリスクローリターンであり、
メジャーリーグに直接挑戦することは
国内野球を経由することによるリスクは排除できるが
そもそも育成機関としての実力が未知数であるために
ハイリスクハイリターンと言わざるを得ないわけである。
さて、両者の違いについて今まで語ってきたわけだが、
相撲界に目を向けると非常に酷似した事例が有ることに気づかされる。
そう。
中卒と高卒・大卒の違いである。
近年、幕内における中卒比率が激減している。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/nihiljapk/article/108
それは以前当ブログでも紹介した通りなのだが、
入門の年齢が高くなれば高くなるほど出世には限界が生じる。
大卒の横綱は過去の歴史の中でも輪島ただ一人であり、
高卒ですら近年では朝青龍、旭富士くらいしか存在しない。
当初の期待値の高さを思えば、琴光喜や雅山、そして
武双山といった大卒で大関昇進した力士達についても
少々期待外れだったと言わざるを得ない。
中卒での角界入りは、メジャーリーグへの直接の挑戦とは違って
力士として身を立てていくには明らかなアドバンテージが有る。
例えば、高安や舛ノ山は今年の大卒力士とと同年代なのだが、
先日全日本選手権を優勝した日本大学の遠藤と比較しても、
その差は歴然としている。
大学からの角界入りについては、同年代の中卒高卒力士との間に
4年から7年の差が既に存在しており、
マイナスからのスタートに成ることは明白である。
だが、アマチュア相撲を長く経験することによって
得られるメリットも少なからず存在しており、
彼ら特有の引き出しの多さや巧さというのは
その出世を助けることになる。
立ち合いの駆け引きや、詰将棋のように態勢を有利に持ち込む
技術に関してはアマチュア相撲を生き抜く上で必要不可欠なものである。
そもそもアマチュア相撲というのは命を賭けた戦いというよりは
技を競うスポーツ的側面がかなり強い。
仮に相撲で失敗したとしても、学歴やコネクションが
その後の人生を助けるということも有り、
力士として頂点を極める権利を捨てて今後の安心を
確保するという選択をする者が増えている。
相撲ファンとしては残念だが、相撲人生とその後の
長い人生を考慮すれば致し方ないことだとは言わざるを得ない。
こうした立ち位置の違いや、特有の技術研鑽、
リスク享受について考えてみると
野球におけるメジャー国内の選択と相撲の中卒・高卒大卒の選択
というのは大変似ているわけである。
大谷投手や大卒を選択する力士達に対して理解は出来る。
だが、能力を最大限まで伸ばせる可能性ではなく、
確実に伸ばせる可能性を選択するという姿勢については
一ファンとしては非常に残念だ。
一番良いのは、国内球界や大学を経ることで
能力を最大限まで発揮できるような環境が作れれば一番良いのだが、
多くの対価を払って決断した者ほど多くの実を享受できる、
ということなのだと私は思う。
そこにはリスクを払っているからこそ芽生える覚悟も有るし、
覚悟故の強さも存在する。
こうした強さを観ることもまた、スポーツ観戦の醍醐味なのである。

大谷翔平のメジャーリーグ・国内球団の2択に見る、アマチュア力士の運命を分ける2択とは?後篇” に対して 2 件のコメントがあります

  1. かず より:

    今の大相撲の世界では、全体的な傾向としては大卒力士の方が中卒力士より出世してる人が多くないですか?
    部屋で育成されるより大学で技術を身につけたほうがいいと考える人が増え、その結果が、下積みしないまま単に強くなっただけの力士が増えたと言われる要因だと思うのですが。

  2. Nihiljapk より:

    >かずさん
    コメントありがとうございます。
    確かに妙義龍などのように大卒力士が上位進出する
    事例は増えていますね。
    一昔前の大関も大卒が多かった(武双山、琴光喜など)
    こともそれを語っていると思います。
    ただ悲しいことに、かつての期待値を考慮すると、
    彼らの活躍は当初ほどではなかった。
    つまり、ナンバーワンになるには足りない。
    そういう殻を破るには、結局稀勢の里や
    かつての栃東、千代大海、魁皇のように
    早い入門が必要になるのでは?と思うのです。
    個人的には彼らには可能性が有ったと考えています。
    大学出身の力士がこうした壁を破った時、
    また異なるキャリアが生まれるとは思うのですが…

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