相撲マイナー国出身力士を追え!part4(最終回) 西サモア・台湾・中国・アメリカ本土編

今回、モンゴルやアメリカといった相撲メジャーでない相撲マイナー国の過去の力士について振り返る。

韓国・香港の大相撲力士事情に触れ、香港にも相撲協会が存在するという衝撃に
打ちのめされた後、もはや何が出てきても驚くことは無い。

最終回は、西サモアからである。


◆西サモア:
過去に在籍した力士2名 主な力士
南海龍(最高位:前頭 2)

かつてはアメリカ領サモアの対比で独立国として西サモアと表記していたのだが現在は西サモアとは呼ばず、サモアと表現している。

…その違いも初めて知った。

さて、西サモアといえば…ご存知南海龍。マイナー国の超メジャー力士である。

誰もが彼のことで話したいエピソード。

前頭に昇進し、飛ぶ鳥を落とす勢いの南海龍。しかし、ポリネシアン特有の楽天的な気質を持った彼は酒ばかり飲んで稽古をしない。

業を煮やした親方が遂に彼を問い詰める。

「お前、酒と相撲とどっちを取るんだ?」

そして南海龍は一言。

「酒はやめられない」

こう言った南海龍は、23歳の若さでそのまま廃業。

…中学校の部活の先生に帰れと言われて
そのまま帰ってしまった生徒のようなエピソードである。

その後、藤波辰彌率いるドラゴンボンバーズに加入するもやはり酒が原因ですぐに辞めてしまう。

反故にされたのが藤波というのも何か納得である。

◆台湾:
過去に在籍した力士11名 主な力士
栃ノ華(最高位:十両 4)

元々日本に属していたことも有り、また日本に対する憧れが有ると言われているので
どの程度居るのか?と思ったが、野球界の二郭一荘のような存在は居ない。

栃ノ華以外は関取経験者が居らず、名を成せずに辞めてしまっている。

高田川部屋が80年代後半に8人入門させているが、全員が討ち死にという有様。

玉ノ井部屋のブラジルコネクションや朝日山部屋のトンガコネクションと同様、高田川部屋の台湾コネクションもこの後途絶えてしまう。

ちなみにマイナー外国人招聘の全盛期は1980年代後半。

バブル全盛期で日本が一番金が有った頃、日本人が忘れたハングリーさをマイナー国が持ち込むという筋書きが当たれば美しい話なのだが、どういうわけかこれがヒットしない。

やはり1200年の伝統は揺るがないのか…

と思った10年後にモンゴルに席巻されようとは誰が想像しただろうか。

◆中国:
過去に在籍した力士12名 主な力士
清乃華(最高位:十両 5)
仲の国(最高位:十両 12)
蒼国来(最高位:前頭 13)

韓国や台湾と比較すると、関取を3名輩出している10億人の国:中国。

蒼国来については様々な方が語っているので今回は他の2力士なのだが、清乃華を語ろう。

清乃華については、両親が中国人ということも有り日本育ちだが出身は中国と名乗っていた。

幕下での下積みを経て、4度の十両昇進を果たす。

が、4度の昇進が意味するものは、定着は出来なかったということ。

その後引退し、ちゃんこ屋を営む。相撲界に残れなかった力士の王道を行く中国人。

そこは中華屋ではないのか?

と思いつつも、それは日本人のフレンチのシェフ対して違和感を抱く外国人のメンタリティのそれなのかもしれない。

◆アメリカ(ハワイを除く)
過去に在籍した力士7名 主な力士
戦闘竜(最高位:前頭 12)

ハワイ出身の力士だと曙や高見山、そして小錦に武蔵丸といった相撲界にその足跡を燦然と残す存在が居るのだが、ではその他の地域は?と言えば検証したことが無い。

そこで調べてみると、思った以上に居るものでやはり80年代に集中している。

だが、外国人力士スカウトが流行したこの時代だけではなく実は戦前から角界入りした、ロスアンジェルス出身の平賀という力士も存在している。(1年で廃業してしまったが)

松龍山と戦闘竜を除くと1年程度で廃業してしまうようで、アメリカの個人主義と日本の相撲界のムラ社会が相容れないのか?と詮索してしまう。

そんな中、永く相撲界に在籍しマイナー国出身力士としては屈指の成績を挙げたのが戦闘竜。

セントルイス出身なので、この漢字で「セントリュウ」と読ませる彼は、外国人力士にしては珍しく3段目を一つの壁として伸び悩んだ時期が有った。

幕下昇進からはトントン拍子で十両に昇進するも、陥落してからは再昇進まで4年間幕下上位でのサバイバル生活に身を置き、実力を磨いた。

外国人力士に有りがちな、巨体を利した取り口ではなくむしろ176センチ130キロ台という、小柄ながらも身体能力をフルに生かした取り口でその後3年余り十両と幕内で相撲を取り続ける。

その後引退。

総合格闘家に転向するも、相撲から総合格闘技への転身はあまり相性が良くないらしく、PRIDEへの出場などの話題も有ったが、結局これといった実績を残せなかった。

相撲マイナー国出身力士を追え!part4(最終回) 西サモア・台湾・中国・アメリカ本土編” に対して2件のコメントがあります。

  1. turupeta より:

    いつも楽しく読ませてもらってます。
    戦闘竜はその後、名古屋の格闘技団体HEATに参戦し、無差別級トーナメントで準優勝までいっています。決勝進出を決めた時は「角界出身ファイター初のベルトとなるか!!」と話題にもなっていました。

  2. Nihiljapk より:

    turupeta さん
    コメントありがとうございます。斬新な名前ですね 笑
    戦闘竜(セントルイス出身)は格闘家転身後、
    結構適応出来ていたように思いました。
    相撲と総合格闘技って喰い合わせが悪いのか
    それとも別の要素が必要なのか、
    なかなか成功しないですよね。
    相撲人気失墜の遠因が曙格闘家転身失敗も有ると
    私は考えているので、彼の活躍には安心させられました。
    …力士の相対的な評価は覆っていないのが残念ですが。

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