相撲部屋の稽古に予備知識ゼロの私が行ってみた part3 対峙
~前回までのあらすじ~
相撲を見るに連れて、一度は稽古の風景を見ておきたい。
どんな日常から、技は生み出されるのか。そんな疑問を解消すべく、夜勤明けの朝謎の町:清澄白河に繰り出す私。目的地は、北の湖部屋。
予備知識が全く無い上にウェブサイトが無いので部屋の場所を住所から検索し、清澄白河駅から地図を見ながら部屋が有るであろう場所に向かう。典型的下町の街並みの中、私は大男が窓越しに会話するところを発見したのだった…
前回の記事はこちら。
日常生活ではお目に掛からないような、大男が談笑している。
散切り頭で、身長は180センチは有るだろう。Tシャツにハープパンツという、4月中旬の東京にしてはラフすぎる出で立ち。そして、一般人にしては太っているという表現では片付けられないほどの肉感。
間違いない。
これは相撲関係者である。
だが、生来のあがり症と、初対面の人に怪しまれたくないという思いが強いため、ゆっくりと接近する。
すると、看板に「北の湖部屋」と書いてあるではないか。
安堵する私。
だが、看板の隣が入り口なのだが、完全に閉じられている。
二人の雑談しか聞こえてこない。
どう見ても稽古をしている様子は無いのである。
意を決して会釈する。
応じる男性。
「あの、今日は稽古はやってないんですか?」
「今日は土俵作りしてるんで、明日以降なら大丈夫ですよ」
!
せっかく来たのに、今日は休みとは。
覚悟していたとはいえ、残念極まりない。緊張しながら話しかけたので、それだけで少し圧迫されている私はお礼すると、すぐにその場を後にした。
さて、この後どうするか。
まだ9時10分である。
近くの看板を見ると、どうやら大嶽部屋も有るようだ。そして、再度住所を確認すると、なんと高田川部屋に錣山部屋、そして尾車部屋がこの辺りには有るそうである。
北の湖部屋がダメなら、他でもいいではないか。大嶽部屋は大砂嵐、高田川部屋は達、錣山部屋は豊真将、尾車部屋は言うに及ばず。
それはそれでいい。
私は番地名を頼りに、一つ一つ探してみることにした。
続く。
次回はこちら。
時々拝見させていただいておりましたが、初コメです。
今回の企画も、主さんの心象風景も垣間見える叙述も含め、楽しく拝見させていただいております。
今後の展開、楽しみにしております。