相撲部屋の稽古に予備知識ゼロの私が行ってみた part4 突入
~前回までのあらすじ~
相撲を見るに連れて、一度は稽古の風景を見ておきたい。
どんな日常から、技は生み出されるのか。そんな疑問を解消すべく、夜勤明けの朝に謎の町:清澄白河に繰り出す私。部屋の立地を住所だけで探すという、2013年には有り得ないアナログな行為に手を染めながらも番地とスマホに目をやる挙動不審な私はどうにか目的地の北の湖部屋に辿り着く。
勇気を振り絞って尋ねた部屋関係者と思しき方からの回答は、土俵作りのため、今日はやっていないとのこと。しかし清澄白河の同じエリアには、なんとあと4部屋も相撲部屋が有るらしい。番地情報を元に、再度相撲部屋探訪の旅に繰り出す私。
この時、9時10分…
前回の記事はこちら。
高田川部屋に錣山部屋、尾車部屋に大嶽部屋。
相撲を知らない人からすると旅館の1室のようなネーミングだが、これらはすべて北の湖部屋付近に存在する相撲部屋である。
目的地の北の湖部屋が稽古が無いという事態を乗り越えて、別の部屋を目的地として歩を進める。
まずは、最初に名前を見つけた高田川部屋。清澄2丁目10番地から、15番地を探す。
直進すると、左手に川が見えるので川を渡る直前の通りを道なりに進む。
番地が少しずつ重い番号に変わる。
15に近づくに連れて、目的地が迫ることを悟る。
正に、人間ナビシステム。
そして、15番地に到着。
90年代トレンディードラマに出てきそうな打ちっぱなしのコンクリートの一軒家を抜けると、高田川部屋をあっさりと見つけた。
ドアが開いているので、中の様子を伺うと無人の玄関口には看板が置いてあった。
そこには、こう記されていた。
「稽古見学ご希望の方は、そのままお入りください」
おお、入って良いのか!
達や竜電、そして「ミスター幕下」と勝手に私が思っている大雷童も居るかと思うとテンションのギアが一気に2段上がる。だが、そんなテンションを5段階落とす、別の看板が。
「今日は一般開放を中止しています」
なら、そっちだけ置けばいいのに!
期待させてから落とされるというのは、
期待した分だけ落胆も大きい。
いっそのこと中止の方を見ていないという設定で上がり込んでしまおうかとも思ったが、さすがにそれは良くないので、高田川部屋は諦めた。
さて次は、錣山部屋である。
高田川部屋の道をまっすぐ進み、番地を頼りに適当に曲がる。
すると、私にとっての非日常が眼下に広がった。
力士が、道端でタイヤを引いているのだ。
4人の力士が道端で稽古する光景をハンドカメラを携えたスタッフが撮影する。その周りには、5~6人の関係者が見つめている。
どうやら、テレビの取材のようだ。
カメラを意識してか、様子を伺いながらタイヤを引く力士。撮影する側も撮りたい絵がなかなか取れないようだが、上手く伝えられずにいる。そして力士の方も、彼らの要望に応えられずにモジモジしている。お互いにどうしていいのか分からず、様子見している。
見ていて色めき立つものではなかったので、部屋の中で稽古を見たいのだが、扉は閉められている。稽古をしているのか、それとも休みなのか。取材クルーの方に聞いてみると、今日は稽古は一般開放していないらしい。ちなみにこの取材はBS TBSの番組で、5月1週に放送する番付が下の若手力士を追ったドキュメントであるとのこと。
高田川部屋もダメ、錣山部屋もダメ。
さて、どうするか。
次の部屋を探そうとした瞬間、
目を疑う光景が。
続く。
続きはこちら。