学生出身力士が大相撲で活躍しづらい理由。ホームランバッターを排出しなくなった高校野球と比較して考える。前編

アマチュアスポーツからプロに転向したとき、
競技性の違いから適応が上手くいかない、
といった事例は種目の垣根を超えてよく起きている。
例えば高校野球とプロ野球は別物、という話をよく聞く。
ご存知の通り高校野球のスタイルは、塁に出たランナーを
送りバントで得点圏に進め、そこから1点を取りに行くのが
一般的である。
これには大きな理由が有る。
高校レベルの野球界では、傑出した投手が出てくると
なかなか点を取ることができない。
そして、最近の特徴としてプロレベルでもそのまま
十分通用するような質の投手が毎年のように現れるのだ。
高校生レベルのバッターと、プロの1流選手と比較しても
そう遜色のない投手。
そんなにチャンスが巡ってくるわけではない。


そうした中で勝ち抜くには、ワンチャンスをものにするしかない。
こうした動機から、1点をもぎ取り守る野球というのは
合理的だと言える。
だが、1点を取る野球ということは、
塁に出るためのバッティング、そして繋ぐバッティング、
帰すバッティングが求められるために
ミート主体のスタイルに落ち着くことになる。
そして、プロ野球で求められる適性は、これとは異なる。
広い球場。
木製バット。
守備力の有る野手陣。
加えて、ミートさせないためのムーブ系のボール。
このような環境の中で、突出した成績を残すには
ミート主体のバッティングをプロ仕様にレベルアップさせるか、
もしくはピッチャーの投球に負けないパワーを付ける必要が有る。
だが、この適応が難しいのである。
高校野球で求められるスキルと、
プロ野球で求められるスキルは根本的に異なり、
また高校野球の投手レベルが上がっている昨今では
ミート主体への移行が更に進んでいる。
ここ10年でホームランバッターが減少しているのは、
高校野球の質がこのように変化していることが影響している。
ホームランバッターとして開花してもおかしくない
バッター達は、1点を取る野球を求められるがために
自分の長所を発揮しづらい状況なのだ。
本来であればプロを見据えた上での育成をすることが
選手の将来性を伸ばすことにも繋がるのだが
高校野球そのものがひとつのブランドなのである。
そして、このようなケースは相撲界にも当てはまる。
それ故に学生出身力士がプロの壁にぶつかり、
期待通りの活躍を出来ない事例が後を絶たないのだ。
続く。
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学生出身力士が大相撲で活躍しづらい理由。ホームランバッターを排出しなくなった高校野球と比較して考える。前編” に対して1件のコメントがあります。

  1. ATフィールド より:

    コメント失礼します。
    学生相撲は正直、分かりません。
    ただ、プロ野球ファンであり、高校野球ファンから一言、コメントさせて下さい。
    選手本人は「プロかメジャー」の気持ちで毎日、練習に明け暮れているかもしれませんが、高校野球は
    「教育の一環である」とゆう定義が
    ありますね。
    文部科学省の管轄ですし。
    だから、「プロやメジャーの育成の場」の考え方はどうかと思います。
    高校野球は仲間と同じ目標に向かい切磋琢磨する場であり、規律を学ぶ場であるのではないでしょうか。
    プロやメジャーの育成を考えるなら
    サッカーのようなプロやメジャーの下部組織を作ればいいでしょう。
    高校野球とは何か…
    考えて下さい。
    勝手な意見、申し訳ありませんでした。
    長文、失礼しました。

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