遠藤に向けられた、閉塞感打破への期待。大学相撲経験者のプロ転向に対する、正しい向き合い方とは?

遠藤に対する声援が、日を追うごとに増している。
幕下10枚目格付け出しデビュー。
2場所で幕下を通過し、1場所で十両を通過。
半年前までは学生だった人間が、
記録的なスピードで幕内まで上がってきている。
彼のことを知らない、もしくは知ってはいても
直に見たことが無い方にとって、
この活躍は胸躍るものだろう。
この新星は、どこまでやれるのか?
遠藤に対して期待感が増すのは当然のことである。
しかし、私には心配なことが有る。
それは何か。
遠藤は、潜在能力以上の期待をされているのでは?
ということである。


遠藤に対する期待というのは
あまりよく知らない力士が彗星の如く現れ、
今のところ圧倒的な成績を挙げ続けていることに起因している。
圧倒的な成績が期待させること。
それは、現在のトップ力士に割って入ることである。
そもそも遠藤にここまで期待値が高まっているのは、
彼に対して期待していることを近い将来
実現できそうな力士が居ないからだ。
長すぎた白鵬独裁政権。
期待と落胆を繰り返させる稀勢の里。
白鵬には遠く及ばない、そのほかの大関。
大関取りを期待し切れない豪栄道。
ここ数年は、これの繰り返しなのである。
誰かに期待はしたい。
この閉塞感を打破することを。
盛り上がる準備は出来ている。
だが、いつまで経っても、盛り上がることができない。
稀勢の里が要所で結果が出ないこともさることながら
素晴らしい実力の片鱗を見せてしまうこともまた
相撲ファンを疲弊させる結果になっている。
こうした背景が、遠藤に期待させるのだ。
だが、学生出身力士というのはこうした形で
短期間に昇進することはよく有るのだ。
元々実力が有る力士なのだから、下のカテゴリで
結果が出るのは当然のことである。
そしてその後、頭打ちになることも、よく有ることなのである。
こうした形で現れて、期待通りの活躍をした力士は、
果たして居るのだろうか?
武双山はどうだろうか?
出島は?
はたまた、雅山は?
大関に昇進した彼らではあるが、
当初の期待を考えれば物足りない印象を覚えないだろうか?
それは詰まるところ、当初の期待値が高すぎたためである。
先日の記事にも繋がるが、
自分よりも下の力士を相手に確実に勝つ能力と、
互角か、それ以上の力士を相手に勝つ能力とはまた
別の適性を要する。
そして、学生出身力士は格下を相手にし続けた経緯から
格下を相手にするのは上手いが、
同格以上の力士を相手にしたり、
自身の課題を克服するのはあまり上手くないことが多い。
つまり、こうした傾向は遠藤にも当てはまる可能性が有るのだ。
私は遠藤に、素晴らしい才能が有ると感じている。
だからこそ、閉塞感故に彼に対して過度の期待を被せて
贔屓の引き倒しをすることだけは避けたいのである。
過去の学生出身力士の事例を元に、
少し冷静に遠藤を見てほしい。
逸材を潰さないためにも、我々は我々に出来ることをしたいのだ。
◇特報◇
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◇特報2◇
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