前の巳年(2013年1月)から現役の力士はどれくらい居るのが
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前の巳年が始まったときから現役の力士はどのくらい居るのか
2024年もあと1か月を切りました。
1年が早いと言うようになると歳を取ったと思う訳ですが、年間通じてだいたいどのくらいの人数の力士が辞めていくかご存じでしょうか?
今年は77人の力士が辞めていきました。つまり、全体の約13パーセントですね。相撲界の入れ替わりというのは本当に早いものだと思います。
10年くらい前に調べた結果わかったこととして、幕内は2年で大体20%の力士が入れ替わるのです。恐らくこれは、今もそこまで大きく変わってはいないのではないでしょうか。
番付がモノを言う世界ですから強ければ残りますし、力が無ければ身の振り方を考えることになります。ですから、40歳になるまで幕内を張り続けている玉鷲は例外的にすごい力士なのだと気づかされます。
で。
来年は巳年なのですが、
前の巳年である2013年1月には既に現役だった力士って果たしてどれくらい居るのでしょうか?
・・・
また面倒な疑問がわいてしまいました。
そんなことを考えなくてもいいのに、なんか思いついちゃうときがあるんです。もうこれは習性なので仕方ないですね。
2012年に15歳だった力士は来年28歳ですし、18歳だと31歳。22歳であれば35歳。
高校卒業でもベテランですし、大学を出ていれば大ベテラン。果たしてそんな力士はどれくらい居るのでしょうか?
幕内だと意外な力士が実は12年以上現役だった
まずは幕内です。
こう見ると、玉鷲や高安のような大ベテラン枠と照ノ富士のようなケガを抱えながらも現役を続けている力士も居るのですが、12年という歳月をそれほど思わせない力士も混ざっているんですよね。
その印象を強めるのは恐らく若元春、隆の勝、明生の存在ですよね。
若元春は遅咲きということもそうですが、キャラクターの若さに引きずられる部分は結構大きいと思うんですよ。
キャラクターという点に関しては隆の勝に触れない訳にはいかないですね。「おにぎりくん」も次の3月でもう勤続15年のベテランです。職場だったら「おにぎりさん」とか「おにぎりくんさん」とか、若いキャラクターゆえにかなり面倒な扱いになっているはずです。(呼び方だけではありますが)
あと、ちょっと意外なのは佐田の海です。
実はデビューは玉鷲よりも早いんですよね。
何故玉鷲よりも出場数が少ないか?と言えばそれは出世のスピードです。佐田の海は関取になるまでに10年近くかかっているんですよ。
7日の取組を続けていることから、玉鷲よりも出場数が少なくなる。そういう意味で連続出場っていうのは記録を作るには昇進が早くないといけないってことがよく分かりますね。
玉鷲を基準に考えないようにしよう
なお、幕内42人中12人ですから、12年後に幕内に居られる力士は約28%ということになります。この数字については思った以上に多いと捉える人も居れば少ないように感じる人も出てくるんじゃないかと思います。
これ、どうですかね?
私個人としては想像よりも多いように感じました。
ただ、よく考えてみると12年以上現役の中に大栄翔辺りの世代が含まれることを考えると納得する部分もあるんです。彼らはまだそこまで衰えを見せるような年齢ではないですからね。
とはいえ、一回り下である貴景勝が燃え尽きるような形で引退していった様を見てしまっているので、12年続けるっていうのは簡単なことではないんですよ。
玉鷲に私たちは騙されているだけであってね。
とにかくね、玉鷲は基準にしてはいけないのです。
そう。
彼は例外なのです。
いくらアスリートが長命になったからといって、あの体と相撲を保てているのはあくまでも玉鷲だからなのです。旭天鵬が10年くらい前にいたことから私たちの感覚は良くも悪くもおかしくなっています。そう言い続けないと玉鷲が標準になってしまう恐れがありますからね。
キャラが若いっていうのもまた玉鷲がちょっと若く見える理由なんですよね。
盆栽が好きとか言ってくれたらいいんですが。
十両の顔ぶれもちょっと意外なことに
さて、十両を見てみましょう。
28人中9人ですから、約32パーセント。
更に上がりましたね。
ここに含まれる力士は大卒で安定しているベテランかと思いきやそういうタイプはあまり居なくて、玉正鳳や大翔鵬みたいな現役の長くなってきたモンゴル出身力士とか、輝や白鷹山のようなベテランを感じさせないたたき上げの力士が含まれているのはちょっと意外でした。
というか、輝ってもう15年経つんですね。新十両が確か2015年で、それでも遅いと思われていたんですよ。何せ16歳の時にはもう幕下でしたからね。当時は貴乃花や稀勢の里を期待されたところもありました。
輝について話し始めるとついつい長くなってしまいますが、要はまだ素材という感覚が残っている力士も現役12年以上務めている力士の中には含まれてくるということです。
いや、
本当に番付落としている場合じゃないんですよ
輝は
こう見ると不思議な組み合わせの力士が残っていますね十両は。私の昔のイメージだと衰えた力士が幕内から落ちてきて、十両で何年か持ちこたえているっていう感じの力士が多かったですから。
そのタイプって今居なくないですかね。
それは十両って現役が長い力士も多いけど、通過点という側面もあって、力が落ちてきた力士では留まれない番付になってきたということなのかもしれないです。
幕下以下は上位よりも現役が長い事例も
幕下以下はざっと見てみましょう。
幕下は全部で21人。
三段目は30人。
序二段が32人。(ここが一番多いのか)
そして序の口が5人。
12年現役を続けている訳ですから、本来は下の番付の力士って淘汰されていくというか、次の道を探そうという風になるはずじゃないですか。
違うんですよね。
幕下、三段目、序二段で大体20%くらいですから。
実力で残れている幕内と十両が30%くらいだから、そこは納得感があります。しかしね、実力で生き残っているのとはちょっと別の意味合いなんですよね。幕下以下になってくると。
高校卒業後に入ってきた力士は30歳を超えていますし、中学卒業後でも30歳が見えてきている。そういう力士たちが2割現役っていうのは、見ている側からすると辞めないでいてくれるのは有難い反面、一人の人間の人生としてこれでいいのか?っていう想いを抱かずには居られないところもありましてね。
部屋と力士とのウインウインという側面があるのは分かりますけど、とはいえ2000年以前から現役を続けている力士って三段目以下にしか居ないんですよ。
おまけに三段目でそれに該当するのは大雷童だけで、その他の力士は全部序二段以下。
序ノ口の澤勇に関しては1992年入門です。
44歳の私は当時小学生ですからね。たぶんバルセロナオリンピックやっている頃ですよ。ストリートファイター2とか流行っていたって言えばどんだけ昔かってのがよく分かります。バブル崩壊がこの辺の時だったはずです。
失われた30年をずっと相撲取り続けてきたというのは凄そうですけど、いや待て、っていう気持ちは失ってはいけないとは思うんですね。
話はそっちに脱線してしまうし、それが当然ではあるんですけど、番付が下であればあるほど上位には居なかったような年季の入った現役力士が居るのが2024年の大相撲の特色であることは分かってもらえたかと思います。
次の蛇年はどうなるのだろうか
総括すると、12年相撲を続けられる力士はすべての番付で平均するとだいたい18%くらいでした。
言い換えると5人に4人は次の道に進んでいるということです。
上位であれば選ばれし力士たちが、幕下以下であればそれぞれが事情を抱えながら現役を続けていると言えるのです。
果たして次の蛇年が来るときは果たして誰が現役を続けているのでしょうか。
まさか、、澤勇は・・・?
2037年に現役だとしたら還暦ですが果たして。