【個性派列伝】Vol1.深尾(明瀬山)
ここまで5タイプの力士が幕下には存在し、
不完全な故に思い入れが深くなり、
彼らを追いかけることから
幕下=AKB48・ジャニーズJr説を唱えてきた。
しかし、ここまで私は一般論としての
幕下という存在について説明してきたわけだが、
では具体的にはどのような面白い力士・
またそのエピソードが有るのか?
といった部分については触れていない。
というわけで、当初は吐合のライバルとして
憎き対戦相手という目線で見てきた、
幕下の個性派について触れていこうと思う。
記念すべき第一回目は、深尾である。
深尾(ふかお)光彦。
日大出身で、学生相撲から各界入りした
大卒エリート。
そのキャリアは小学生の頃まで遡り、
小学生横綱であるわんぱく横綱だったことからも
幼少の頃より既に非凡な才能を見せていたことが判る。
小学校からエリートで、大学まで
相撲が評価されて生きてきた男と言えば、
どのような人を想像するだろうか?
体格に恵まれた貴ノ浪のような大男。
運動神経が抜群な、千代の富士のようなアスリート。
どんな状況でも対応できる、安美錦のような技巧派。
答えは、全てノーである。
深尾は、相撲に関係の無い人が見ても
ぎょっとするような絶対的な特徴がある。
そう。
だらしない体なのである。
普通、相撲取りというのは太って見えるが、
実際のところは体脂肪率が非常に低い。
表面上見えている脂肪の下には
実は在りし日のシュワルツェネガーばりの
ボディビルダーが隠れているのだ。
故に力士の脂肪は非常に張りが有り、
いわゆる力士独特のあのシェイプを
保つことになるわけである。
あの体格を作るには朝稽古をし、
ちゃんこを吐くほど食べ、そして昼寝するという
伝統的な力士の生活様式を経る必要がある。
この「力士ブートキャンプ」を経験すれば
脂肪の下のシュワルツェネガーを培養出来る
というのが相撲300年の歴史の叡智なのだ。
だが、深尾には相撲300年の
尊い歴史さえも無に帰すだけの
説得力を持つ肉体を保持している。
深尾は182センチ178キロと、
力士としては非常に体格に恵まれている。
が、彼の178キロは力士としての成分比ではなく、
クラスに一人は居るデブの太り方なのである。
例えるなら、グーニーズのあいつ(チャンク)。
悪者に拉致されてもアイスを食べるような
だらしないあいつ(チャンク)である。
彼のだらしない体格というのは実は
彼のあらゆる行動規範となっており、
それについては数回に分けて説明する。
ちなみに最近十両に昇進し、明瀬山を名乗り始めたのだが、
その名前よりも深尾の方がより深尾的なので
旧名では有るが深尾と呼ばせてもらう。
続く。
プロフィールに、
>バンドマンやヒップホップクルーとの関係が深いが、所構わず相撲について語るのが得意技。
とありますが、
ヒップホップと関係が深い相撲取りといえば、あの鈴川がすぐ目に浮かびます。
幕内下位はもちろん、十両以下の力士にはまったく興味がないので、若麒麟時代は知りませんでしたが、クスリで首になり、猪木のビジネスに参加してからは、注目してみています。
管理人の鈴川評が聞きたい。
・・・
ついでに、つまらない感想ですが、(大)学生エリート力士の話には共感しましたが、中卒エリートについては?
なぜかというと、中卒は「たたき上げ」、そして「たたき上げ」は「エリート」と対極にある言葉として使うのが用語として一般的。とすれば、「中卒のエリート」は形容矛盾ではないか。そんな気がしたからです。気に障ったらごめんなさい。