琴欧洲の挑戦。大関復帰のためには一体誰に勝たねばならないのか?力士をグルーピングして考える。
琴欧洲が大関復帰を賭けて取組を進めている。
一度陥落した力士が復帰するのは大変難しく、
それは過去に4例しかないことからも明らかである。
特に、過去の4例に関しても後の横綱三重ノ海や
昇進したての武双山など、活力を残している力士という傾向であり、
全盛期の相撲を取れることがそもそもの条件となる。
過去3年で2桁勝利が3回という琴欧洲。
これだけを考えると2桁勝利を挙げられる確率は16.7%。
これは、大変厳しいと言わざるを得ない。
そこで私は考えた。
この厳しい現状を掘り下げ、2桁勝利するために
一体誰に勝てば良いかを検証しよう。
どうポジティブに考えても、厳しい現状は変わらない。
ならば、受け入れるしかない。
現実的に勝つ確率の高い相手が誰かを考慮し、
そこに注力する。
そうした建設的な思考が必要なのではないかと思う。
番付上の格上、格下という概念を捨てて、
相性という観点で考えることこそ、今回の鍵になる。
今場所対戦するであろう15力士の過去10回の対戦成績から
以下に分類してみた。
◆琴欧洲の相性を考えるための4分類
①勝つのが難しい力士(勝率39%以下)
②五分五分の力士(勝率40~60%以上)
③勝つ確率が高い力士(勝率61%以上)
④データが少ない力士(対戦経験3戦以下)
すると、以下の結果となった。
◆勝つのが難しい力士(勝率39%以下):
白鵬(3勝7敗)、鶴竜(3勝7敗)、豊ノ島(3勝7敗)、隠岐の海(2勝6敗)、松鳳山(2勝6敗)
◆五分五分の力士(勝率40~60%以上):
稀勢の里(4勝6敗)、豪栄道(4勝6敗)、栃煌山(4勝6敗)、妙義龍(6勝4敗)、安美錦(6勝4敗)
◆勝つ確率が高い力士(勝率61%以上):
豊響(4勝1勝)、豪風(8勝2敗)
◆データが少ない力士(対戦経験3戦以下):
千代大龍(2勝1敗)、勢(初顔合わせ)、碧山(3勝0敗)
厳しい結果であることは言うまでもないが、
勝ちを引き寄せられる力士と、かなりの努力が必要な力士とで大別された。
端的に言えば、大型力士と、小型で前への推進力の有る力士。
彼らを今すぐ克服することは出来ない、ということである。
しかし、五分五分の力士となると話は別だ。
10回以上の対戦経験が有れば、そこには確実に
互いに研究し、研究された経緯が有る。
そして、対戦するうえでのノウハウが存在している。
半分勝てるということは、それらがある程度は
有効だということを意味している。
今からゼロベースでの研究を重ねる時間は無い。
ならば、蓄積された知識とノウハウを活用するしかない。
五分五分以上に勝てる力士に注力すること。
あとは、やるだけ。
非常にシンプルな話である。
この15力士の過去の対戦成績から、期待値を割り出すと
今場所の琴欧洲は、7.7勝というのが現実だ。
だがそれは、あくまでも不調だった3年間のことだ。
この15日間でどれだけ出来るのか。
琴欧洲にとって、これが最後の闘いになるかもしれない。
我々に出来ることは、見届けることだけである。
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