遠藤を超えた、若き小結。千代鳳には人生を懸けた一番を戦い抜いた、叩き上げとしての強さが有る。

千代鳳が、今場所遂に小結に昇進した。
小結と言うと、凄さが伝わりにくいかもしれない。
番付運によって昇進する力士も居るし、
今一つ印象に残っていない親方であっても最高位が
小結や関脇ということはよく有る。
しかし、考えてほしい。
小結というのは、相撲界で言えばトップ10に入ることを意味する。
現在の番付で言うと、白鵬・日馬富士・鶴竜という、
まず勝てない力士:横綱が3名。
そして稀勢の里と琴奨菊という、日本人では桁違いに強い力士:大関が2名。
更には豪栄道と栃煌山という、関脇の枠を超えて大関を目指す力士が2名。
上を見ればもうバケモノしか居ない。
そしてその次に、千代鳳はランクインしている。
言い換えると、千代鳳もバケモノの仲間入りを果たした、と言うことだ。
現在の番付に於いて上を見ればこの状況なので、
変動しうる地位の中では限りなく最高位に近いところまで上り詰めたことは
特筆すべきことなのだが、強さもさることながら千代鳳に関しては
もう一つの凄さが有る。それは何か。


千代鳳の凄さを端的に言うと、あの遠藤よりも若く、
そしてあの遠藤よりも早く出世しているということである。
彼はまだ、21歳。
大学4年生と同学年だ。
21歳で小結に昇進した力士は、Ustreamの相方である
Search_net_boxさん調べによるとここ30年で14名しか居ない。
そして2名を除いて大関に昇進しているのだという。
遠藤は確かに凄い。
しかし、目立たないかもしれないが現時点で
相撲の世界でより凄いのは千代鳳なのである。
しかし、何故千代鳳はここまで早く成長したのか。
理由は実に単純だ。
若い頃から強い相手と激戦を重ねているからだ。
特に印象深いのは、2年前の初場所に幕下筆頭の千代鳳は
あの吐合と全勝対決をして、成す術も無く完敗していることだ。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/nihiljapk/article/94
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/nihiljapk/article/93
十両を相手にしても苦も無く勝ちを重ねてきた千代鳳が、
吐合の人生の集大成を懸けた一番に敗れたのである。
例えば、その前の場所はどうだろうか。
幕下7枚目の千代鳳は、やはり全勝対決で初の十両を目前にした
阿夢露を相手に敗れている。
その前はどうだろうか。
幕下15枚目で4勝2敗の千代鳳は、もうこれ以上番付を落せない
垣添を相手に白星をもぎ取っている。
そしてその前の場所では、3勝3敗で迎えた一番の相手は
学生相撲出身で、回り道の許されない徳勝龍。
この一番に、千代鳳は敗れて負け越している。
更にその前は6戦全勝同士の優勝決定戦で松谷(松鳳山)に敗れているし、
もうひとつ前の場所では3勝3敗の勝ち越しを懸けた一番で
里山に敗れ去っている。
千代鳳は、順調に番付を上げてきている。
だが、その歴史は強力なライバルとの果し合いの連続であり、
そして敗れることもまた彼の一部なのである。
千代鳳のルーツに有るもの。
それは人生を懸けた一番を戦い抜いた、叩き上げとしての強さだ。
彼は、このような生存競争を18~19歳の頃に経験している。
夢を喰い、夢に敗れて今の千代鳳が居る。
この2年で千代鳳は幕下最上位から小結まで地位を上げた。
この間にごぼう抜きにしてきた人数は、実に70人。
上を見るともう7人しか居ないところまで上り詰めたのだ。
学生相撲を経験したからこそ磨かれる技術も有るし、
互角の力士を相手にするからこそ付けられる強さも有る。
しかし、文字通りの「生死を賭けた闘い」からしか
得られない強さが、叩き上げには有る。
それは只の強さではない。
人間としての強さである。
人懐っこい笑顔の裏には、実は苦闘の歴史が有る。
その叩き上げの強さを、凄味を、感じ取って欲しいと思う。
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遠藤を超えた、若き小結。千代鳳には人生を懸けた一番を戦い抜いた、叩き上げとしての強さが有る。” に対して1件のコメントがあります。

  1. 麺部員 より:

    今晩は。
    ブログ主さんならではの視点ですね。参考になります。
    ここ数場所の成長、インタビューにおける人柄など、今場所の千代鳳には大いに期待していたところですが、初日注目の横綱戦で白鵬がまさかの張り差し(!多少想像できますが)に、大いに落胆してしまいました。
    (厳しさを出すなら先場所・先々場所だろと突っ込みたいところですが、これ以上は言いません)
    二日目は、やはり初日の取組の影響があったような取組に見えましたが、三日目の勝利をきっかけに、上位をかき回してくれるものと。
    いづれにせよ、平成生まれの若い力士が、近い将来来るであろう彼らの時代のために、現在の白鵬ら上位陣と、どんどん対戦し吸収していってほしいものです。

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