追い込まれた白鵬は、稀勢の里にどう対するか。シミュレートしてみた。

今場所の白鵬は成績は上がっているが、危ない場面が多く見られる。
豪風戦。
栃煌山戦。
そして、豪栄道戦。
前の二つは先手を取られており、
昨日は叩きが致命傷となって敗れている。
この二つから言えること。
それはスピードが足りないということ。
そして、判断が悪いということ。
対する稀勢の里の良さは、対応力の高さだ。
嘉風の阿修羅の如き攻めにも、
琴奨菊の直線的な当たりにも、
遠藤の天才的な対応力にもついていき、
最後は捕まえて勝ちをもぎ取った。
白鵬は恐らく分かっている。
今の稀勢の里にスピード勝負を挑めば、ついてこられる。
そして左をねじ込まれて後は成すがままだ。
今の稀勢の里は、史上最強の稀勢の里であることは間違いない。
この強大な敵を相手に、一体どうすれば良いか。
今までの白鵬なら恐らくこう考える。


そう。
何よりも勝ちたい、と。
白鵬と稀勢の里の戦いは、負けず嫌い同士の意地の張り合いだ。
だからこそ立ち会いはシビアになるし、
白鵬は打撃を交えた激しい攻めを見せる。
今回も左をねじ込まれることを嫌い、
距離を置いて重心を崩しに来る。
だが、この攻め方には限界が有る。
打撃による攻めは、隙を生むのだ。
一時期白鵬は稀勢の里に対して張り差しを毎回のようにやっていたが、
脇が空くので、稀勢の里優位の形になりやすい。
昨年の5月場所も先手を取られた白鵬が、
態勢を立て直して打ったすくい投げが決まっていた。
スピードも分が悪く、
打撃も相性が悪い。
このままでは、かなり厳しい。
負けるとわかっていて正攻法で玉砕するのは、
白鵬の哲学とは異なる。
だとすると稀勢の里を崩すには、
予想を上回る攻めをするがポイントとなる。
恐らく私が白鵬であれば、勝つために立ち会いから仕掛ける。
対応力を無力化するために、決定的なアドバンテージを取りに行く。
つまり、このシチュエーションで可能な手段として
今の白鵬に出来ることは、ただ一つ。
変化だ。
白鵬は稀勢の里の立ち会いを交わすように立ち回る。
隙が出来たところを攻めて、何もさせずに勝つ。
横綱の変化、しかもこの数場所に一度の大勝負でこれをするのは
かなりの議論になるだろう。
だが、白鵬には勝つことが全てであり、
昨日までの内容であればこのような手段に出るしかない。
この状態で正面から稀勢の里を倒せば、
これはもう、名実共に史上最強横綱である。
そしてここまでの不調を立て直したなら、
敵うものなど誰も居なくなる。
今場所、稀勢の里が正攻法で敗れたとしたら、
横綱昇進は厳しくなる。
今の状態を保てば、白鵬にすらかなりの確率で勝つはずだ。
果たして白鵬は奥の手を出すのか、正攻法で迎え撃つのか。
注目である。

追い込まれた白鵬は、稀勢の里にどう対するか。シミュレートしてみた。” に対して1件のコメントがあります。

  1. 梅吉 より:

    桐野さんのおっしゃるとおりだと思います。
    白鵬の立ち会いは駆け引きとか闘志とかの次元じゃない。
    稀勢の里を罠にはめようとしている。
    立つぞ、と見せかけて立たない。
    稀勢の里の立ち遅れを誘発させるための卑怯で姑息な作戦。
    そもそも白鵬は、非常に巧妙に汚い技を駆使して優勝を重ねてきた男。
    特にカチアゲは、白鵬の場合はひじ打ち。
    下から上へではなく、水平に肘をぶつけているのだから。
    いろいろな汚い反則技も稀勢の里には通じなくなってきたので、ついに立ち会いで罠を仕掛ける作戦に出てきた。
    ゆるふんでエルボーバットをかまし、言葉巧みに正義を装うってきた大相撲史上最も悪辣な横綱。
    四股名は、黒鵬とすべきであろう。

  2. longwave より:

    結局、そこまでする必要がなかったのですね。
    稀勢の里が二回突っかかって立合い不成立、そして三回目でまた早く突っかかろうとしているのを見て、こりゃダメだなと思って、やはりその通りでしたね。
    本当に、メンタルが弱いとしか言えませんね。
    ネットでニュースを見ると、案外「横綱ならそこで合わせるべきだ」という旨のコメントが多数ありまして、驚きました。
    稀勢の里が手をついてすぐ突っかかったのですね。そこで合わせるのはどう見ても無理でしょう…
    私は白鵬がわざと遅らせたのではなく、単に稀勢の里が急ぎ過ぎたと思いますが…

  3. 一相撲好き より:

    残念ながら今場所も期待を裏切り、
    予想を裏切らない結果となってしまいました。
    稀勢の里が関脇以上の地位で白鵬に勝ったことは
    過去に5度ありましたが、
    H23.1 11日目 前日まで稀勢6-4、白鵬10-0
    H23.9 12日目 前日まで稀勢8-3、白鵬11-0
    H24.3 13日目 前日まで稀勢7-5、白鵬11-1
    H25.7 14日目 前日まで稀勢10-3、白鵬13-0
    H25.11 13日目 前日まで稀勢11-2、白鵬13-0
    (相撲レファレンス様を参照いたしました)
    稀勢の里にとって優勝の可能性が無い、あるいは
    星2つ以上離れているときだけであり、
    相星で優勝の可能性に大きく関わってくる舞台では
    白鵬に勝ったことがないようです。
    結局今場所のシチュエーションでは追い込まれていたのは
    稀勢の里の方だったように感じます。
    再び先頭を追う形となったことで、
    少しでも気が楽になったのなら、千秋楽までは優勝争いの楽しみは残ると思いますが、
    自力優勝の可能性が出てくるとまた、歴史は繰り返しそうな気がします。
    なかなか難しいものですね。
    今日は若乃島の十両昇進(ほぼ確実)を喜びたいと思います。

  4. 麺部員 より:

    こんばんは。
    残念ながら予想外に一方的な展開に。
    明らかに気負い過ぎで、2度も突っ掛けたら3度目は横綱に合わせざるを得ないわけで、その時点で勝負あり。
    終始伏し目がちなのも気になりました。。。
    今場所は我慢の取り組みが続きますが、何とか今日の敗戦を切り替えて、残り3日間、来場所へ繋がる取り組みを。
    この期に及んでキセのメンタルが急成長するとは思えませんが(期待はしてますが)、それでもなお我々に期待を抱かせる稀勢の里に、大いに一喜一憂しようではありませんか!

  5. 桐野 より:

    白鵬が腰を割っているにもかかわらず、手を突こうとしないのをとがめない協会に問題がありますね。
    横綱は相手の立ち合いを受けて立つから品格力量抜群なんであって、呼吸を計っておきながら、相手の仕掛けに立てないとか言うのは論外です。
    引きや叩きや張り差しは相撲の技だからともかく、相手が立っているのに立たずに勝負を成立させないのがすでに論外だと思います。
    で、これを品格があると報じるマスコミや協会。
    朝青龍のほうが土俵の立ち振る舞いでは品格がありましたよ。

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