2015年初場所は、幕下上位が大変だ。力の落ちていない元関取が十両に定着できない理由とは?

幕下が大変だ。
いや、決して不祥事が起きているとか
他意が有る訳ではない。
まぁとりあえずこの番付を見てほしい。
川 成  下1 琴恵光
慶天海  下2 堀切
笹ノ山  下3 出羽疾風
希善龍  下4 芳東
若乃島  下5 入江
肥後嵐  下6 石浦
豊真将  下7 錦木
安 彦  下8 天空海
海 龍  下9 琴弥山
旭大星  下10 豪頂山
千代栄  下11 白鷹山
川 端  下12 高木
大岩戸  下13 竜王浪
大和富士 下14 千代嵐
磋牙司  下15 宝香鵬
この中で、十両になれるのは4名前後だ。
叩き上げと、学生相撲出身と、元関取との人間交差点。
以前からそうだったが、確実に言えるのは
この中にはもう、実力者しか居ない。
地力が無い者は誰も居ないのである。
しかし、幕下というのは基本的に相星で対決させる。
そのため、この実力者同士でも大勝する者と大負けする者が出る。
7月に幕下2枚目だった肥後ノ城でさえ、3場所連続で負け越せば
1月は幕下33枚目で迎えることになる。
正に一寸先は闇。
鬼の棲家である。
さて、この1年の十両昇進力士の、
現在の地位を見てみたいと思う。
この中から、果たしてどのような力士が
今も上位に居るかを考えてみたい。
◆14年初場所昇進
阿夢露:十1
北はり磨:十5
磋牙司:下15
◆14年大阪場所昇進
土佐豊:前16
 魁 :十14
隆の山:引退
逸ノ城:関脇
◆14年夏場所昇進
若乃島:下5
大栄翔:十13
栃飛龍:十13
旭大星:下10
希善龍:下4
栃ノ心:前1
◆14年名古屋場所昇進
 魁 :十14
芳 東:下4
若荒雄:引退
北はり磨:十5
◆14年秋場所昇進
天鎧鵬:十7
栃飛龍:十13
出羽疾風:下3
岩 崎:十11
琴恵光:下1
 達 :十8
◆14年九州場所昇進
明瀬山:十14
阿武咲:十11
舛ノ山:十14
さて、この傾向を見てみると気づくことは無いだろうか。
上位に定着しているのは、以下の2パターンである。
1.期待の逸材組(逸ノ城、大栄翔、達)
2.怪我からの復帰組(土佐豊、栃ノ心、舛ノ山)
逆に一つの傾向として、上位に滞留しているのが
幕下十両のボーダーライン組なのだが、
ここに属するのが魁、栃飛龍、希善龍、芳東
といったところである。
彼らは決して力が落ちている訳ではない。
むしろ魁などに至っては初めて昇進した時と比較すると
かなり伸びているように思う。
しかしそれでも彼らはここに位置しているし、
旭大星や磋牙司は今後の相撲人生の中で今が一番の
正念場ではないかと思う。
ここで踏み止まれなければ幕下上位で安定する可能性も有るからだ。
では何故このような傾向が有るかと考えると、
幕下十両ボーダーライン組のところで出てきた
「力が落ちていない」というキーワードが重い意味を持つ。
つまり、単純に実力ある力士が増えているのである。
考えてみると、ここ数年の大相撲に於いて
全盛期から衰えている力士が少ない。
それは恐らく件の問題で上位力士が多く姿を消し、
エアポケットになったところに次世代力士が多く
台頭してきたことが理由である。
彼らはまだ、衰えるような年齢ではない。
そして今度は、更に若い世代が台頭しつつある。
実力者が衰えずに滞留していること。
これこそ幕下上位が激戦になっている理由ではないかと思う。
学生相撲出身のエリートでも苦戦を余儀なくされるのが
2015年の大相撲である。
川端も安彦も、今この流れに呑まれている。
高木も今のままでは滞留する実力者達によって
カモにされるかもしれない。
出羽疾風や若乃島のような「背負っている」力士ですら
下からの突き上げによって上位定着が阻まれるかもしれない。
セブンイレブンに行くと、惣菜などに「更においしくなりました」
というシールが貼ってあるが、今の幕下に張るべきシールは
「更に厳しくなりました」で間違いないだろう。
土俵の充実は嬉しいことだが、
力士にとって夢が遠のいている実情が有る。
厳しいからこそ楽しい。
そんな初場所から目が離せない。
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