相撲の地位失墜の原因とは?4

相撲の人気凋落に目を向けるだけでなく、
他のスポーツについても検証した前回。
そこで分かったこと。
それは、前時代的なスポーツは軒並み
人気が低迷しているという事実であった。
野球。ボクシング。プロレス。ラグビー。
全て綺麗に、そして同時期に
人気が落ちていることが判る。
概ね90年代に突入したところでその人気に陰りが見え、
2000年代に入るとその凋落は目も当てられないという
事態に発展していた。
私はこれらの共通点を探してみた。


野球。
ボクシング。
プロレス。
ラグビー。
そして、相撲。
私はこのスポーツ名をゲシュタルト崩壊するまで眺めてみた。
すると、一つの事実に気づいた。
そう。
これらは父性のスポーツなのである。
ここで言う父性とは、すなわち強さだ。
男としての強さであり、それは戦後の日本において
良くも悪くも社会を支える根源的な要素であった。
強い父性を求めるからこそ、
強い男は多少の横暴を働いても許される。
男尊女卑、亭主関白、終身雇用。
強い男を許容する文化と社会制度が当然のように存在し、
確かにそれは不満を抱く人も居たのだろうが、
その価値観は揺るぎないものなのであった。
そんな時代にスポーツに求めるものが
何だったかを考えれば、そこに父性が存在したというのは
至極当然のことなのである。
野球のスター選手のファッションを考えてみよう。
パンチパーマ。
金のネックレス。
アルマーニのスーツ。
セカンドバッグ。
ファッションでさえ既に威嚇の材料と化している。
全てに対して父性が強烈な色を発しているのだ。
世は平成になり、男女平等が謳われ、
行き過ぎたフェミニズムは女性に対する
正しい接し方を見失い、過剰に女性に擦り寄る
メディアは女性を軸に文化を醸成した。
そして、そこに父性は無かったのである。
この変化が良かったのか、悪かったのか。
少なくともそれまでのアンチテーゼとして
父性の否定が行われてきたことは間違いない。
男が男に惚れるような、そういう強烈な凄みを
体現出来る世界というのは、野球やプロレスすら
女性寄りに変化している昨今に於いてもはや
相撲しか有り得ない。
そう。
だからこそ、相撲は価値がある。
私はそう思うのだ。

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