【吐合速報】 九州場所7日目 VS慶

吐合を追って既に7日目。
相撲が始まってからの1日は非常に早い。
気が付くと星取表の白丸と黒丸の数が増え、
その数の多さが場所の進行の速度を物語る。
幕下であれば休みが発生するので、
大相撲のウェブサイトで動向を逐一チェックしなくては
取組の有無すら把握できない。
面倒と言えば面倒なのだが、
自ら情報を取りに行かなくてはならないこの
アナログさこそ、逆に情報を深く知りたいと思わせる
一つのきっかけになるというのが私の持論である。
そんなわけで、
幕下の結果について大相撲のウェブサイトを
アクセスし、相手と決まり手から
大凡の内容を想像する。
事実に基づいた想像というまた一つの醍醐味。
しかし、今日は週末なので運よく
BSでその取組を確認できた。


吐合はここまで2勝1敗。
鋭い立ち合いが冴え、
1日目は竜王浪、3日目は貴月芳を撃破。
2日目こそ体重200キロの前田に
苦杯をなめるも、ここまでの内容は近年稀に見る
好調さであることは間違いない。
…と言うのが、取組結果と相手の相関関係から
判断した吐合の現状である。
そして、今日の相手は慶。
以前も対決経験のある若手のホープ。
日本人の中高卒エリートについては
その扱いに定評の有る吐合。
身体が十分に出来ていない、
身体能力の優れたタイプについては
対処法が明確に有るらしく、
多少の不利をモノともしない。
この辺りの対応力と総合力の高さは
さすが元:学生横綱といったところである。
だが悲しいかな、圧倒的な身体能力を誇る外国人には
歯が立たないというのが彼の課題で、
7日間でこのタイプを相手に星を落とすことが
結果として毎回致命傷に至る。
そんなわけで、今日は得意なタイプが相手なので
負けるわけにはいかない。
結果は…
吐合、勝利!
今日も出足の良さから先手を取り、
慶に自分の形を作らせない。
防戦一方の慶は吐合の突き押しにズルズルと後退、
あっさりと土俵を割るという理想的な内容。
正に思い描いていた通りの内容であった。
そして、幕下の相撲ではあまり
解説の対象にならない吐合なのだが、
今日の解説の北桜が彼の取組について
非常に気になる発言を展開した。
「吐合はね、天才なんですよ。」

幕下で4年余り燻っている、過去の実力者を
表現する言葉として「天才」と言うのは、
何をもってそれとするか全く判らない。
そもそもそんなポイントが有れば、
今既に金を貰って相撲を取れる位置に居ることは
間違いない。
何しろ吐合=天才なのだという。
全国的にも稀有な吐合ファンを自認する私ですら
彼の何が優れているのか、理解出来ていない。
回転の早い押し相撲について先手が取れれば
幕下10枚目レベルの相手には十二分に通用する、
という程度の認識でしかなかった。
が、北桜が言うには、彼の突き押し相撲には
秘密があるのだという。
「吐合は、彼にしか出来ない突き押しが有るんです。
つまり、2回押すことが出来るんですよ。
普通の力士であれば腕での突き押しの1回。
でも、吐合は一度の突き押しで肘からの1回、
そしてその後腕からの突き押しの1回が加わる。」
なるほど。
彼の突き押しがこの地位である程度アドバンテージを持つのは
「るろうに剣心」の「二重の極み」を彷彿とさせる、
中学二年生が考えそうな必殺技としての
効果を持ち合わせていたということである。
彼にしかできないオリジナルスタイル。
それ故この小さな体で、しかも
筋力が衰えても幕下の門番として立ちはだかることが出来る。
そう。
吐合は天才なのだ。
幕下19枚目という地位は、天才には相応しくない。
とすれば、他の力士もまた、天才と言うことなのだろうか。
天才が劣るというのであれば、
その天才性は決定的なアドバンテージではない、
ということである。
幕下というのは、天才を以ってしても
それだけでは通用しないステージ。
北桜の解説は、それを浮き彫りにした。

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