デーモン閣下の相撲話の魅力とは?
デーモン閣下の相撲話が好きである。
ツイッター上のsumoタグを見る限りでは
彼がゲストで話をすることに対して概ね肯定、
むしろ殆どの場合が大絶賛という
類を見ないほどの支持を集めている。
KISSの亜流的出で立ちで、自称悪魔。
デーモン閣下という存在そのものがキワモノであり、
言動が正面から受け入れられにくい下地を
自ら作っているため、たとえ正論を主張したとしても
素直に受け入れられることは非常に難しい。
だが、彼の場合は違う。
むしろ権威的な立場から正論を主張する、
某4コママンガ家の方が批判されることが多い
ということからも、その特殊性に気づかされる。
デーモン閣下が一般のゲストと異なるのは
彼が一ファンという枠を遥かに越える知識を持っていることは勿論、
その知識を絶妙なタイミングで彼独特の話法で
視聴者に伝えられる点である。
技術解説もできる。
下の番付の力士のことも知っている。
しかしこうした点を抑えていることは確かに魅力的だが、
それは現役を引退したての解説者であれば出来ることだ。
デーモン閣下がこれほど相撲を魅力的に語れる理由は
大きく分けて二つある。
一つは、素人の視点が軸になっている点である。
プロが専門的なことを立ち入って説明することは
何も特殊なことではないし、
一歩引いたところから知識欲を満たす対象として
面白く聞くことが出来る。
デーモン閣下の場合は違う。
知識的な部分を前面に出すのではなく
知らない人が聞いてもついていけるレベル感で言葉を選び、
前提条件となる知識に関する説明を下敷きとして提供する。
そう。
これは池上彰の政治番組と同じ手法なのである。
そして次の点が大変重要なのだ。
デーモン閣下の話が魅力的な理由。
それは、彼が果てしなく相撲が好きだということである。
好きなものについて話す時のことを考えてほしい。
相手にもその魅力を伝えようと、自然と熱が入らないだろうか?
好きなものについては向き合う機会が多いので、
自分の語彙の中で整理された話が出来る。
門外漢が聞いてもこうした話は別の世界の話として
楽しむことが出来るのだが、
これが同じ趣味を持つ者の話だとしたらどうだろうか?
そこには感情レベルに於ける共感が生まれるため、
更に魅力が増すのだ。
好きな度合いは知識の深さもさることながら、
周囲に歩み寄りを見せることの無い
自分だけの楽しさを自分の言葉で主張できることから判別できる。
デーモン閣下の切り口はプロでもなく、
素人というレベルでもない。
相撲好きな素人が趣味が興じて研究を重ねた結果、
痒い所に手が届く上に新たな視点を加えた
替えの利かない境地に到達しているのである。
誰もが感じていると思うが、
デーモン閣下は相撲界にとって貴重な財産である。
歌手活動を続ける傍らで、好きな相撲について発信し続けてほしいと
願わずにはいられないのだ。