Number Webで「歴史上「最強の大関」は誰なのか。1位は若貴とも戦ったあの力士。」という記事を寄稿しました。
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最強大関を論じる難しさ
Number Webで「歴史上「最強の大関」は誰なのか。1位は若貴とも戦ったあの力士。」という記事を寄稿した。
今回の記事は、大関に昇進した栃ノ心が果たしてどの程度やれるのか、過去の大関の記録から考えてみたいという動機から企画したものだった。過去に最強大関というテーマで配信も記事も書いたことは有ったのだが、このタイミングでより多くの方に読んでほしいということも重なったのである。
3000字程度で論旨を伝えるにはどうすれば良いか。最強大関というテーマで語るには、本来であれば膨大なデータが必要だ。過去の記事・配信では相棒であるサーチ氏と共に、実は50項目を精査したうえで発表した経緯があり、自分で企画しながらも全4回くらいで書かせていただきたいという想いもあった。
だからこそ、今回一番難しかったのが少ないデータで最強大関をいかに割り出すかということだった。
勝ち越した回数で良いのか。
在籍場所数でいいのか。
だが、これらの項目だけで上位に居る力士を見ても、あまりピンとは来なかった。
項目を2つに絞り込むという難題
さて、どうしたものか。これは難題だ。
2つ程度の項目で、見る人が納得する結果とロジックを両立させてねばならない。50項目あれば納得がいく結果は得られるが、50項目を精査して誰が1位とやっても納得感は得られない。だが、ある指標を用いて分析したとしても、50項目で行った時のような正確性は得られない。
今回の記事には、そういう難しさがあったのだ。
産みの苦しみは有ったが、「傑出度」としての12勝回数と、「安定感」としての10勝回数。この二つに絞り込んだところ、着地点として非常に納得感の有るものになったのではないかと思う。これを大関在籍場所における確率にすると、在籍場所数が多い力士には不利になることが分かった。だが、確率にしないと場所数の少ない力士には不利になってしまうというジレンマがあった。
だが、在籍期間の長さというのも強さを表すのである。そこで私が思ったのは、大関在位が長い力士は、どうしても後期には大関を守ることが目的になってしまう。そういう意味で考えると、大関としての黄金時代の長さを現す指標としては、やはり回数というロジックがしっくり来るのである。
そういう難しさに想いを馳せて、ご覧頂きたい。
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