2023年九州場所中日振り返り 貴景勝の覚悟が見えた、8日で最高の相撲だったが
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完調ではない朝乃山に崩しの動きで2敗している貴景勝がどんな選択をするか
7日目に痛恨の2敗目を喫した貴景勝。
ここからは終盤までもう負けられない。
そういう状況に追い込まれたところで組まれたのが、朝乃山。
このタイミングで復帰してきたら、番付最上位の貴景勝に当てられるのは自然なこと。割の組み方については前回の記事をご参照いただきたい。
http://makushitasumo.com/archives/2716
再出場ということは、コンディションが整っているということを意味しているが、完調とは言い難いし、土俵勘も出場している力士には劣る。
朝乃山は朝乃山で厳しい状況。
それを踏まえたうえで、貴景勝は当たりは出ていない、流れを変える引きといなしで2敗していることを考え、どのような選択に出るか。
覚悟を決めて前に出るか。それでもどこかで張り手やいなしといった動きを見せるか。
真っ向勝負に挑み、もつれるも敗れる
立ち合い。
貴景勝がやや当たり勝つも、朝乃山の重心は崩れていない。
ジリジリ下がるも、反撃しながら朝乃山が回り込む。
貴景勝の方が優勢だが、朝乃山もまだ耐えられるので、貴景勝は当たり続ける。
今日は貴景勝が真正面からぶつかる。叩きもなければいなしもない。
真っ向勝負だ。
今までの貴景勝には無かった動きだ。
そこで貴景勝が朝乃山の中に入る。
もうここしかない。
そのまま突っ込むも、朝乃山が土俵際で下手投げ。
物言いがつく。
VTRでは貴景勝の方が先に付いているが、朝乃山の体が飛んでいるという解釈もある。
審判長の説明によると、貴景勝の体が落ちているのが先ということで、朝乃山の勝利となった。
綱取り消滅かは不明。しかし貴景勝が戻ってきた
もうこの時点で綱取りが無くなったと見ていいかは微妙なところだ。
というのも、1敗は今のところ一山本のみだからだ。ここからの7連勝は相当厳しい。
そのうえ、恐らく3敗であれば決定戦になる。このスタイルの貴景勝にとってはかなり不利だ。
ただ一つ光明が見えたとすると、少なくとも私の目には今日の貴景勝は8日の中で一番良い相撲を取ったことだ。
覚悟を決めて、朝乃山を相手に押し込んだ。朝乃山のコンディションがある程度戻っており逆転の投げは食ったが、この相撲こそが貴景勝の基本だ。
そこに回帰し、気持ちの強さを見せた。
貴景勝が戻りつつある。
年6場所以降の綱取り場所中日を終えての3敗で横綱に昇進した事例は皆無だ。
だが、終わるまで終わりではない。
相撲が戻ってきた貴景勝があと7日間でどのような結末を迎えるか。私は期待したい。
明日の相手は錦木。
攻め切れない貴景勝からすると非常に嫌な相手だが、相性を考えると確実に攻められるだろう。
今日の相撲で行けば個人的には乗っていけるのではないかと思う。何とか自分の相撲で腰の重い錦木を相手に決めてほしい。
そのほかの見どころ
上位が崩れてきた。
豊昇龍も琴ノ若も2敗。
大栄翔は3敗。
この時点で崩れている訳なので、当然終盤戦には直接対決もあり、誰か1人がこの後は知らなければ更に黒星が付くことが予想される。
この展開だとすると、下位の力士が浮上することもあり得る。
1敗の一山本もだが、2敗だと錦木、玉鷲、竜電、美ノ海が居る。
明日の貴景勝戦で勝つようであれば錦木の重さは崩れてきた上位にとっては脅威に成り得る。
変わりゆく戦況の中で勢いづく力士も出てくる。それが誰かを見定める中盤戦になりそうだ。
先が読めなくなってきた。
イベント情報
①11月25日 17:00 大相撲メタバース場所
メタバース空間で大相撲14日目の幕内後半の取組をパブリックビューイングします。
3回目のイベントですが、メタバースきっかけで普段相撲を見ない方に大相撲が届いてきていてビックリしています。
メタバースだとちょっと・・という方にはVoicyとYouTubeでも配信を行いますので、後日案内いたします。
メタバーズの入り方、下準備についてYoutubeで動画が作られていますので紹介します。是非ご覧ください。
https://youtu.be/HdSsme7cTok?si=23ok8hn0TerOLcUY
②12月16日 18:00 大相撲トークライブ（錦糸町すみだ産業会館）
データで振り返る2023年の大相撲を横尾さんと行います。今回のゲストはなかなか面白いですよ。え！？そんな話聞けるの？って方をお呼びしています。
予約サイトはこちら。
