大関が優勝するには序盤に何勝必要なのか、データ検証した

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九州場所は大の里が見どころ

九州場所の見どころとしてメディア的にも自分としても注目なのは新大関:大の里です。

入門から2年掛からずに史上最短での大関昇進、しかも今年に入ってから2回優勝している訳で、こんな力士は過去に類を見ないのですから期待して当然です。

初めての優勝は馬力で、2回目の優勝は対応力と新たな武器で掴んだと言ってよいでしょう。

大の里は5月と9月で異なる能力を発揮することによって力を見せつけたと私は思っています。普通新鋭力士の登場というのは能力の絶対値が高く、圧倒されてしまうことが多いのでこのような力士は記憶にありません。

初日は平戸海に攻め込まれての逆転、

2日目は王鵬を相手に積極的に前に出ての完勝。

3日目は立ち合いから正代を圧倒。

さぁこの後どうなるのか。先場所右差し左おっつけという猛威を振るった例の形で牛耳るのか、その形を出させない打開策を他の力士が出してくるのか注目したいところです。

大横綱になるには短期間での大関卒業が条件

さてそんな大の里ですが、昨日お話ししたように大横綱として君臨するには出来るだけ短期間で大関から横綱に昇進することが求められます。

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確かに大関として初めての場所においては過去の大横綱でさえ10~11勝という成績ですから、真価を発揮しづらいということも事実です。

ただこれから先がある力士ですので、今場所に10勝ラインでは見ている側としては不満が残ります。

序盤をヒヤヒヤしながら見守っている立場として気になるのは、果たしてどの程度の成績であれば終盤に繋がってくるのか?ということです。

大関は序盤に小結以下と当たることになるので、取りこぼせない戦いになります。ここで上手くいかないと悪い流れが来てしまい自分の相撲が取れないまま15日間を終えるパターンに入るように思えます。

そこで今回は、大関の序盤戦の成績から今後の期待値を追ってみましょう。

序盤戦と最終成績の相関関係

ということでデータを集計し、序盤戦と最終成績の相関関係を資料化しました。

序盤5日間の成績に対して最終成績がどのような割合になっているのかをご覧いただきます。

ここから分かることは、序盤でのつまづきは最終成績にやはり大きな影響を及ぼしていたということです。

ここで言うところの「つまづき」は序盤での2敗以下と考えてよいでしょう。何しろ大関がまずは目指すべき10勝にはもう30%程度しか届かなくなってしまいますからね。

最頻値が9勝で、8勝がそれに非常に近しい数値となっています。ということは序盤に2敗してしまうと基本的には勝ち越しが目標に目標になってくるということです。

4勝1敗の場合、今度は優勝がかなり遠くなってしまいます。

20024年現在の優勝のラインが基本的には12勝以上になっていますが、序盤で1敗するとそこには20%も到達できません。

良くて11勝、60%程度は10勝以下という成績に落ち着くことになります。

優勝を目指すには序盤の5連勝が必要だが・・・

ということで、最終的に12勝以上する確率を上げるには5連勝が必要ということがよく分かります。

12勝以上の割合が50%を超えてきますので、序盤の4勝1敗とは期待値が大きく変わってくるのです。

つまづいての1敗と強敵を相手にしての1敗では気持ちの持ちようも異なりますし、序盤の5連勝というのはそれだけ状態がいいことを指すのかもしれません。

ただ、序盤の連勝はその後の好成績を約束するという訳ではないことも興味深いところです。

なにしろ33%、3人に1人は10勝以下に終わっているのです。

期待値が劇的に向上する一方でしりすぼみになる可能性もこの時点では否定できない。確かに大関は終盤戦に失速するというパターンもあるように思えます。

この記事を掲載した段階ではまだ3日目が終わったところだと思いますが、果たして3大関は5日目を終えてどうなるのでしょうか。

気になるのは、5連勝の大関が誰か居るのか?

そしてその力士が優勝争いの中心になることが濃厚ということです。

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