2025年のキーワードは「照ノ富士を超えろ」。

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2024年の大相撲が楽しかった理由

2024年の大相撲ってとても楽しかったなぁと思います。

それは繰り返しお話ししての通り、番付通りの強さを力士たちが見せるようになったということが第一にあると思います。

データで見ると2023年から番付上位の力士たちが突出した成績を残しているということが鮮明になってきています。

6場所で50勝以上というのが相撲をデータ的な観点で見た時に平均値から外れた異常値というか、突出した値であることが立証されているのですが、これを小結以上の力士たちがキチンと達成しているところが大事なんです。

コロナ前後だとこの辺りがぐちゃぐちゃになっており、大関の年間勝率を関脇小結が上回るという年もありました。恐らく2019年だったと記憶していますが、そんなデータを取っているのが自分くらいなので定かではありません。(確かNumber webで記事にした覚えがあります)

2年連続で上位が上位としての強さを見せている。

大相撲の根幹を成す部分がようやく戻ってきたことからファンとして満足感のあるものが得られている。そのことを数値化して述べている人が居ないからこそ、広く伝えていく必要があると思うんですね。

未来を担える力士が登場してきた

そして2024年を語る上でもう一つ大事なこと。

それは、未来を担う可能性ある力士が出現したということです。

具体的に言えば、大の里と尊富士。

この2名に尽きます。

白鵬現役のころから未来を担うニュースターというのはもう10年単位で出てきていなかったように感じます。

本来時代を支えてきた横綱の引退には世代交代が行われてきましたが、それがなかったんですよね。

一番有名なのは千代の富士の時の貴花田です。あの時は次時代の担い手が第一人者を倒してしまうというエポックメイキングな出来事がありましたが、その貴乃花が引退するときには朝青龍が居ましたし、その朝青龍があの形で引退するときには白鵬が居ました。

白鵬引退の時は照ノ富士が居ましたが、不思議とバトンタッチという感じはなかったんですよね。恐らくそれは、白鵬があまりにも強大で、最後の場所でも強すぎたことに起因していると思うんです。

そういう意味で、今は照ノ富士が横綱として君臨していますが、ようやく継承できる状況が整ってきたと思うんですね。

更に言えば、大の里と尊富士の登場によって琴櫻と豊昇龍の相撲にも変化が生じてきて、本来は彼らへのバトンタッチになりそうだったのに、その構図を壊すような充実感が出てきている。

この充実感が、大相撲に欲しかったものなんですよ。

照ノ富士が出ると優勝してしまう

で。

これはちょっとセンシティブな話ですが。

彼らに照ノ富士を倒してほしいと思っています。

誤解が無いように説明すると、決して私は照ノ富士に引退してほしいと言っている訳ではありません。

照ノ富士は今かなり厳しい状況にありますが、状態が整って出場してきた時に打ち負かした力士って殆ど居ないんです。

唯一それが出来ているのが、大の里なんですよ。

彼だけは2度にわたって正面突破してしまった。

ただ、15日間出場すると照ノ富士が優勝してしまう。

強い横綱が強い相撲を見せればそれは仕方がないことなのかもしれないのですが、照ノ富士不在でどんなに激戦が行われても、結局照ノ富士に敵わないとなると私たちは何を見てきたんだという感じにはなってしまいますからね。

照ノ富士が万全だと、なかなか対抗できないんですよ。

凌ぐことは出来ても、追いつめることができない。

要するに、照ノ富士と対等な立場で相撲を取れる力士がまだ居ない。そしてそれが理由で今も照ノ富士が第一人者として君臨できている。

つまり、照ノ富士が15日間をフルに戦っても大関を中心とした力士たちが優勝をつかみ取ることが次の段階として求められると私は思うんです。

高いレベルで切磋琢磨できれば、今の大関以下に敗れることがあっても照ノ富士は引退する必要もないですしね。

照ノ富士を超えた力士が次代を担う

未来を大の里か尊富士に託したくなる理由。

それは、琴櫻と豊昇龍が照ノ富士にほぼ勝てていないからです。

付け加えると、大関だった霧島も照ノ富士には一度も勝てていません。

これまでは上位が総じて照ノ富士を苦手にしてきたんですよ。照ノ富士は大栄翔や阿炎のようなアグレッシブに攻めてくる相手や序盤の曲者に星を落とす一方で終盤まで残ると相性の良さで優勝にこぎつけてきました。

終盤に格の違いを見せつけられてしまう力士が多いからこそ、照ノ富士の凄さが際立ちますし、構図を変えられないことへの閉塞感を覚えるんですよ。

今、大相撲は番付正常化という変化が生まれてきています。2025年は次の段階に進めるところに来ていると思うんです。それは役者が揃ってきたという充実感に依るところが大きいのです。

照ノ富士との取組をモノにすること。

そして、15日間で結果を出すこと。

これが出来た力士が現れたとしたら、恐らく次の時代を担うことになると思いますし、ファンとして託したくなると思うんです。

照ノ富士を超えろ。

2025年はこれがキーワードになります。

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