九州場所の現地観戦はどうだったのか。2015年の思い出を語る。(延長戦)
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九州場所観戦ドキュメンタリー、8年前に投げていました
考えてみると、私は2015年に九州場所を観戦している。
「川崎在住の私が初めて九州場所に行ってみた。前編」
http://makushitasumo.com/archives/571
そしてその時私はなんと、白鵬が栃煌山に猫だましを決めた例の一番を目撃している。
「猫だましによる勝利は、白鵬スタイルの最新型である。物議を超えた、相撲の次世代標準の在り方について考える。」
http://makushitasumo.com/archives/570
タイトルの長さが時代を思わせる。
当時のスポーツナビブログはこのようなものがビューを稼いでいたのだ。
あれがもう8年前というのはかなり思うところがある。
で。
ふと思ったことがあった。
私、後編書いてないじゃん。
…
そんな訳で当時のことを思い出しながらか8年越しに書き始めた。
前編:http://makushitasumo.com/archives/2572
中編:
http://makushitasumo.com/archives/2579
後編:
http://makushitasumo.com/archives/2585
白鵬の猫だましに揺れる。そして、疲れた
尻の痛さに耐えながらどうにか幕内まで漕ぎつけ、そこからは熱戦続きということもあってそれほどでもなかったのが救いだった初めての九州場所観戦。
ひょっとしたら椅子の硬さに慣れ、私の尻がハードなイスに順応したという可能性もあるが、まぁとりあえず言ってみたはいいがそんなことは無いだろう。それほどのシロモノだったからだ。
さて。
椅子の問題は何の因果か分からないが、とりあえず気にはならなくなったところで大事件が起きた。
そう。
白鵬の猫だましである。
疲れ果てていた私ではあったが、流石に全身の血流が沸騰するような、そんな衝撃を覚えた。
小兵ではない力士、それも白鵬が、猫だましを戦術として有効に採り入れて栃煌山を破った。そのこと自体凄いことだと思ったのだが、問題もあった。
それは、横綱の猫だましだったからだ。
九州に観戦に行って、これなのか。
今にして思うととてつもない貴重なものを観たということになったし、相撲の見識の幅が広がる良い経験になったことは間違いないが、当時様々な意見のあった白鵬がまた物議を醸す何かをしたということに対してどう解釈すれば良いか分からなかった。
とにかく、疲れた。
とりあえず、帰ろう。
いつものように席を立つと…またしても困った事態が
私は普段、国技館で相撲を観戦した時は大体多くのお客様が退場したタイミングを見計らって席を立つようにしている。
両国駅は直後だと混みあうし、トイレも長蛇の列が出来ている。
出来るだけ早く帰りたいという心理は分かるが、結局それをすると面倒に巻き込まれてしまうのは自分であるということを経験上知っている。
あとは、普段はせっかちな私の父が、こういう時は出来るだけ遅く退場するという様を子供ながらに観ていて、そういうものなのだと身に沁みついている部分があった。
今回も私はいつもと同じように、少し待ってから退場するとした。トイレも大して並ばずに済ませることが出来た。
さぁホテルに戻るか。
そう考え、国際センターを出た時。
私は驚くべき光景を目の当たりにした。
バスを待つ長蛇の列である。
バスを待つか、歩いて帰るか
ここに来て、まだ先があるのか?
福岡は何かと私を試してくる。
試練の大地である。
どこまで続いているんだというくらい見たこともないような列なのだ。どうやったらこの人数が裁けるのか疑問になるくらいの規模であることは間違いない。
これを見ると、なかなか絶望的な気分になる。
更に言えば、九州国際センターは海沿いということもあるのか、11月中旬にしてはかなり寒いのだ。
私はあまり防寒の用意をしていない。尻に敷かれたスプリングコードが主戦力ということもあり、ここで待機するのはなかなかの苦行であることは間違いない。
そして私は一つ思ったことがあった。
バスってどれくらいの頻度で来るんだろう?
仮にバスが大量に来るのであれば待てばいいのだが、もしそうでないとしたら寒空の中凍え続けることが宿命づけられる。そのあたりのことは経験知が無い。
そして周囲を見ると、バスが来ないことに耐えかねた方達がある一方に向かって歩き続けているようだ。
この人たち、歩いて博多まで行こうとしているのか。そういえばバスの乗車時間はそれほどでもなかった。私はここで待つか、歩くかという判断に迫られることになった。
歩いて帰ると、屋台が私を待ち受けていた
バスが来る時間が読めない以上は、歩いた方がいい。
私は前の人たちに続いて歩くことにした。
博多のファンはあまりしゃべらないが、多くの人達の背中が怒っていた。白鵬の取組に満足できなかったのだろう。その是非を問う訳ではないのでこの点はご了承いただきたい。
こういう怒りの表現があるのかと驚いたが、怒れる人たちは何故か足早だ。ただ標識を見る限りではこれに沿って歩けば駅方面までは出られそうだ。
ただ、もはや疲れていてどこをどう歩けば目的地にたどり着くかを考える気力は残っていないので、周囲の人の流れに合わせて歩き続けた。
どこを歩いているのかは分からない。
博多のことなど何も知らないのだから。
数十分は歩いただろうか。駅があるのは分かっていたが、そして疲れているのもあったのだが、何となく歩きたかった。何も考えずに。
そして、屋台が見えてきた。
あれは何という名前の店なのかも分からない。ただ、歩いて20分程度のところに天神というエリアがあるらしい。あれは天神だったのだろう。
この1日を締めくくるのは屋台しかないと直感的に感じた私は、ラーメンを注文し、8年前の「前編」の冒頭に戻る訳だ。
美味かったことだけを覚えている。
何故かって?
それは、この日に色々ありすぎたからだ。
イベント情報
12月16日 18:00 大相撲トークライブ (錦糸町すみだ産業会館)
データで振り返る2023年の大相撲を横尾さんと行います。今回のゲストはなかなか面白いですよ。え!?そんな話聞けるの?って方をお呼びしています。