久しぶりに九州場所2日目を札止めで迎えるに際して考えてほしいこと

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九州場所2日目はどんな日なのだろうか

大相撲九州場所2日目。

皆さんはこれを聞いて何を思い浮かべますか?

・・・

大抵の方はそもそも「九州場所2日目」と言われても何もイメージすることは出来ないのではないかと思います。

そりゃそうですよね。

こんなピンポイントな日と事案を紐づけて覚えている人なんてそうは居ないからです。場所と日付に関連付けて空で様々なことが回答できるとしたら相当なマニアだと思います。

私自身このような形で普段は物事を記憶することはほぼありません。だって、今時検索しちゃえば回答なんてあっさり出てきますから。

ただ。

九州場所2日目って凄く大事な日でして。

それは

1年で一番観客動員が少ない日だからです。

九州場所は観客動員が1年の中で最も厳しい場所として知られています。

これには明確な理由がありまして、単に東京、大阪、名古屋と比較すると商業圏に居る人の数が少ないからです。また最近で言えばインバウンド客が少ないことも理由として挙げられるでしょう。

そしてチケットは千秋楽と初日が特に人気で、土日祝日もおおむね札止め、後半戦は上位同士の対決があるので平日でも埋まりやすい。

つまり、一番動員が厳しい九州場所の中でも序盤戦は避けられやすく、中でも月曜日ですので2日目は特に苦戦するということです。

今年の九州場所は28年ぶりの全日チケットソールドアウト

ただ。

今場所は大きなニュースがありました。

それは、九州場所で28年ぶりに15日間チケット売り切れだったということです。

ニュースサイトはこちら。

28年前ですから、1996年が最後の売り切れ。

となると、翌年の1997年は若貴ブームは終わりを迎えてはいましたが当時の人気の立役者である曙や武蔵丸、二子山勢や舞の海といった人気力士たちはまだまだ健在だったということです。

逆に言えばこのような時代でもチケットが売れ残るのが九州場所の厳しさということだと言えるでしょう。

なお、1997年の5月場所で満員御礼が666日連続で途切れるということがあったそうです。

確かに当時の大相撲を振り返ると、若貴ブームをけん引した若乃花、貴乃花、曙、貴ノ浪が優勝した1年で、且つ小錦が引退ということもあり、一つの時代が終わりを迎えるとともに新世代が脅かすのももう少し先という時期だったことから相撲に対して飽きが出てきた側面はあったと思います。

少し話が逸れましたが、チケットが取れないことで有名だった若貴現役の頃よりも今はチケットが売れている。

凄い話だと思うんですよね。

2010年九州場所2日目に起きたこと

私が知っている限りでは無観客とコロナを除いて最も客入りが悪かった日は2010年11月場所2日目のことです。

この日に何が起きたかご存じの方も多いのではないかと思います。

そう。

白鵬が稀勢の里に連勝を63で止められたあの日です。

拾った画像で恐縮ですが、土俵下で立ち尽くす白鵬を納めた写真がありますが、頭の上の方はほぼ空席です。

聞いた話だとこの日の動員は2500人程度だったそうです。

一万人近く入る福岡国際センターでこの客数というのは、現地観戦した方からすると相当に少なく感じたのではないかと思います。

あんな歴史的な出来事があった現場を目撃した観客が限りなく少なかったというのは何とも皮肉です。

振り返るとそれほどあの頃の大相撲はひどい状況でした。

朝青龍の一連の不祥事。

時津風部屋暴行事件。

野球賭博。

そして、八百長。

多くの力士が不祥事に手を染め、土俵を去っていきました。

もう閑古鳥が鳴くことは無いと思う一方で思うこと

数年前まで私は不祥事が起きるたびに「あの頃に戻ってしまうのではないか」と思うことがありました。

それほど大相撲を取り巻く雰囲気は最悪で、世間の信頼を急速に失っていたからです。

私が大相撲に本格的にのめりこみ、ブログを始めたのが2011年ですが、当時は再出発という時期で何をやっても悪意をもって受け止められていたことが懐かしいです。

何せマスコットであるひよの山のお披露目ですら批判的な人が多かったくらいですから。

2024年になっても大相撲では不祥事が散発的に起きています。

他の競技では見られないことですが、大相撲で何か起きると体質的な問題だと指摘されます。

北青鵬の問題でもそれは顕著で、暴行が悪質だったことや報告を怠ったことに加えて妨害工作まで行われたというのは確かに異常ですし、2010年の頃の不祥事に近しいものを感じるので仕方がないとは思います。

ただ、皮肉なことに大相撲に対してそこまで世間がクリーンなイメージを抱いていないからこそ、大きな不祥事を除いてあまり報道されないように思います。北青鵬の時が異例でしたからね。

そして、相撲界としてもまだまだではありますが、改善に向かって歩き続けてはいます。そのため2010年のような組織的な不祥事は発生しづらい状況にあるとは思うし、そう期待したいところです。

白鵬の連勝がストップした頃の閑古鳥が鳴くような会場になることは近い将来無いと思います。

今日、久しぶりに九州場所2日目が札止めで迎える様を見て私は当然嬉しい想いもありますが、今の人気に甘えてほしくないとも感じています。

観客動員は最高なのに、入門者は史上最低という状況だからです。

人気はあっても志願者が居ない。

今は良くても未来には暗雲が立ち込めていることも事実です。

嬉しい想いはあるけれど、嬉しいだけで終わらせてはいけない。久しぶりに札止めで迎える九州場所2日目でそんなことを皆さんにも感じてもらえればと思うのです。

音声配信(Voicy)やっていますのでこちらもよろしくお願いします。

Voicyはこちら

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