貴景勝は優勝力士に弱い!?対優勝力士戦勝率を調べた
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千秋楽に貴景勝が優勝の懸かる霧島と対戦する
14日目に熱海富士と霧島の対戦が組まれた。
今場所のハイライト、クライマックスと言うべき対戦がここで組まれたことによって14日目は大いに盛り上がることが約束された。
14日目に大相撲メタバース場所というパブリックビューイングイベントを企画している立場としては有難い限りだ。
有識者によると番付の格もあるので、「これより三役」が機能を果たさなくなるという理由もあり、このような割になったということなので、なるほど納得という感じだ。
個人的には熱海富士は14日目は琴ノ若ないしは貴景勝、千秋楽に霧島という割になると予想していたのだが、これは非常に勉強になった。
ということで千秋楽は霧島と貴景勝が対戦することになる。
さて、ここでふと思ったことがある。
貴景勝って壁役としての役割が求められている時に負けがちじゃないか?ということだったのだ。
貴景勝は壁役としての役割を果たせていなかったのか
最も印象深いのは千秋楽に徳勝龍に敗れた一番だ。
下位の力士を中心に土俵際の強さを見せて勝ちを重ねてきた徳勝龍に、貴景勝ならば大関としての貫禄を見せられるのではないか?
という期待を抱き私は観てきた。
だが、結果は徳勝龍の良さだけが目立った一番だった。
平幕優勝が出た時は、貴景勝が終盤戦で闘うという機会が多いように思うのだが、イメージ的に敗れている。
気持ちの強い力士だが、もしかすると勝負弱いのか?と感じることもあり、千秋楽を前に調べたくなった。
■大関昇進後の貴景勝の対優勝力士の成績
これを見て分かるように、大関昇進後の貴景勝は優勝力士にほぼ敗れている。
その相手が横綱であっても平幕であっても、結果はほぼ変わらない。
ただ、この陰で優勝が懸かった一番で平幕の琴勝峰を退けたり優勝決定戦で熱海富士を破るといった勝利もあり、大関昇進後に3回の優勝を果たしている。
必ずしも負けてばかりいないのが貴景勝ではあるのだが、こう振り返ると壁として貴景勝が割り当てられて、きっちりと相手力士が勝っているということが分かる結果になった。
では、白鵬はどうだったのか
貴景勝が優勝力士に対して非常に勝率が低いというだけでは貴景勝の名誉にもかかわるので、別の力士も比較してみよう。
1人目は、データで見たら誰がどう見ても史上最強力士である白鵬だ。
優勝回数は他の追従を許さない白鵬ではあるが、全ての場所で優勝している訳ではない。
優勝を逃している場所における白鵬とはどのような成績だったのだろうか。
横綱昇進以降の白鵬の対優勝力士との対戦成績を調べてみた。
■横綱昇進以降の白鵬の対優勝力士との対戦成績
これを見て分かるのは、朝青龍が現役中と、引退後で傾向が劇的に変化しているということだ。
対優勝力士に対してこれほど強かった力士が、朝青龍引退後は2回しか勝てていない。
意地の悪い解釈をする方も居るかもしれないが、結果だけを見ると「白鵬に勝った力士が優勝している」と言い換えることも出来るだろう。
優勝を逃した場所でも基本的白鵬は2桁は勝利しており、全ての力士にとっていつだって白鵬は壁役たる力士なのだ。
逆に言えば白鵬に敗れて優勝したというのはかなりレアと言い換えられるのかもしれない。
殊勲の星のイメージがある稀勢の里はどうだったのか
そしてもう一人、このデータについて非常に気がかりな力士が居る。
それが稀勢の里だ。
白鵬を倒してその後で別の力士に敗れる。そんな印象が実に強く、つまりデータ的に考えると対優勝力士勝率は高いことが予想された。
白鵬に対して白がたくさん並んでいて、ああ勿体なかったなぁという感想を抱くもの、そして引退後も当時の記憶を呼び起こして頭を抱える展開になるだろう。
そんな風に考えてデータを収集してみた。
■大関昇進以降の稀勢の里の対優勝力士との対戦成績
これはかなり意外な結果になった。
黒星のオンパレードではないか。
私のイメージとはいったい何だったのだろうか。
結局あれは、優勝に比肩する成績を残し、善戦するも敗れてしまったという敗北の記憶も美化していたということなのかもしれない。
あとは、白鵬に勝利するということの難度の高さもまた、一度の勝利に対する印象を強めているのかもしれない。
ただ、データ上の稀勢の里は優勝している力士に対してほぼ勝てていない力士ということが分かる。
結論:誰だって優勝力士にはそんなには勝てない
ここから分かったこと。
優勝を逃した場所で意地を見せるという形での白星は、どんな力士でもそう掴めるものではないということだ。
強い力士であれば、優勝の回数が増えていく。
故に優勝力士に敗れる力士というのは大抵、乗り越えられる壁と言えるだろう。
優勝の可能性が失われた際に意地を見せる場面というのは、本来上位力士であればそうあってはならない。
ただ、どんな力士であってもこのシチュエーションは難しいということも事実だ。
だからこそ、貴景勝にとっては千秋楽は厳しい取組になることが予想される。
言い換えると、対戦相手にとっては最後の壁としての貴景勝をデータ通りに乗り越えて初めて優勝を掴めるとも言えるだろう。
データ通りになるのか。
データを超えた結果を目の当たりにするのか。
千秋楽の取組に期待したい。
イベント情報
12月16日 18:00 大相撲トークライブ (錦糸町すみだ産業会館)
データで振り返る2023年の大相撲を横尾さんと行います。今回のゲストはなかなか面白いですよ。え!?そんな話聞けるの?って方をお呼びしています。
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