2023年九州場所初日所感 貴景勝は2日目以降も強く当たれるのだろうか?
久々に15日間、出来る限り取組を観て所感を書き連ねようと思います。
どこまで続けられるか、場合によっては難しい日も出てくるかもしれませんがお付き合いください。
Contents
見どころは綱取りが潰えるまでは貴景勝
今場所の見どころは?
と聞かれたら100人中100人が「貴景勝の綱取り」と言うことでしょう。
内容次第という声もありますが、その条件が掛かるということは横綱に成り得る勝負の15日間だということの証左とも言えます。
「貴景勝は序盤乗り切れるか 審判部長、綱取り「最後まで見ないと」」(産経新聞より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4666d875213b81492149abaff908f1b409049c1
先場所の千秋楽の変化と優勝が11勝という低水準もあり、場所後も物議を醸し、批判の声が鳴りやまぬまま九州を迎えた印象が強く、気の毒ではあるのですが一方でこうなることも覚悟したうえでの相撲だったので、客観的には仕方ない部分もあると思っています。
ただ、周りがどんなに騒ごうとも、1か月半も経てば本場所は巡ってきます。貴景勝が過去2回途中休場という結果で終わっている綱取りが遂に始まりました。
この強烈な話題がある以上は、貴景勝が優勝争いから完全に脱落するまでは「綱取り」こそが話題の中心であり続けることは間違いありません。
貴景勝はコンディション次第の力士。では今場所は?
先日記事にしましたが、貴景勝の大きな特徴は「コンディション次第」だということです。
「貴景勝横綱の可能性をデータから考える」http://makushitasumo.com/archives/2544
相撲が取れたら優勝を争いに安定して参戦できる力がある一方で怪我があまりに多く、大関昇進後の休場が8場所。復帰直後の場所は基本的にコンディションが戻らないので勝ち越しが目標になる。
つまり、今場所綱取りが出来るか?と聞かれると回答としては「コンディションがどうか」となる訳です。
場所前は特にその辺の情報は出ておらず、戦える状況にあるのかと思っていましたが、直前に首を痛めているために稽古も自重したという内容の報道がありました。
「貴景勝、連合稽古2日目は欠席…師匠・常盤山親方「首に違和感があるということで」」(産経新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/44dbd0579ddc9d26a3a2364ab0884b276e051147
違和感程度で果たして連合稽古のような恰好の直前の調整の場に参加しないということはあるのだろうか?と疑心暗鬼になる報道でした。つまり、実際のところは違和感ではなく、かなり悪いのではないか?という推測も出来るものだった、ということです。
この報道が出てから初日のポイントは決まりました。
「貴景勝は強く当たれるのか?」
ということです。
初日は強く当たれました。最高の結果です。
相手が北勝富士というのも不気味でした。先場所は取り直しの末に2番続けて土俵際に落とし穴がありました。そのことも含めて不安が残る初日と言えたでしょう。
立ち合い。
貴景勝は頭からぶつかりました。
北勝富士がモロに受けてしまい防戦一方で、土俵際に一度残したものの、貴景勝が押し切っての勝利。
今日の貴景勝は、強く当たれました。つまり、戦える状況にあると推測できます。
綱取りという状況の中で初日の敗戦はムード的にもかなり避けたいところでしょうから、当たれたことも結果が出たことも非常によいことでした。
戦えるコンディションであれば優勝争いが出来る。綱取りも可能性が見える初日だったと思います。
初日の結果だけでは分からない部分もある
ただ。
気になる点が二つありました。
一つ目は、北勝富士の立ち合いが合わなかったという点です。
今の段階だと北勝富士がミスしたからこそ勝てたという可能性が捨てきれず、今日の勝利だけで貴景勝のコンディションが良いとは断言できない状況にはあると思います。
二つ目は、最初の土俵際で押し切れなかった点です。
立ち合いの合わなかった北勝富士が受けてしまったのに土俵際残されてしまった。ひょっとすると威力に課題があるのでは?という見方も今の段階では出来る訳です。
相撲というのは1日の結果だけではなかなか判断できない部分があります。会心の相撲を取った次の日に良くない相撲を取ることもあります。
だからこそ、明日の相撲が注目と言えます。
明日の正代も土俵際の逆転がある上に、押しきれないと乱戦になり、流れの中で不利になってしまう危険性のある力士です。実際に先場所も張り手で打開しようとして墓穴を掘っています。
正代を突き切ることが出来たとしたら、あと13日が更に見えてくるのではないかと思います。
その他気になった点
上位力士が軒並み良い相撲を見せました。
霧島、豊昇龍、大栄翔です。
琴ノ若と高安も良い内容でした。
繰り返しになりますが、1日の結果だけでは分かりません。
ただ上位が充実しているとなると、不思議と下位からは成績優秀者はあまり出てこなくなります。これは一体どういうことなのか、本当に説明が付かないところなのですが、優勝の目が出てくると下位の力士に集中力をもたらし、上位を食えるということなのかもしれません。
一人一人の相撲内容を振返りたい想いもありますが、場所全体の展望を考えるとこの上位の力士たちを終盤一人一人倒せるかという点が貴景勝に今場所求められる試練なのかもしれません。
それくらい今日の上位の相撲は際立っていました。貴景勝がいかに良くても特に霧島を倒すのは容易ではありません。私の予想通り上位が優勝争いを引っ張る形になると貴景勝は痺れる毎日を送ることになると思います。
それでは、また明日。
イベント情報
①11月17日 18:30
選挙プランナーの渕之上知良さん・
神奈川県議小林たけしさんと生配信
選挙プランナーって?炎上したらどうするのが正解?
普段聞けない話をお届けしますので、是非お聴き下さい!
https://r.voicy.jp/ybKybgMkmR7
②11月25日 17:00
大相撲メタバース場所
メタバース空間で大相撲14日目の幕内後半の取組をパブリックビューイングします。3回目のイベントですが、メタバースきっかけで普段相撲を見ない方に大相撲が届いてきていてビックリしています。
メタバースだとちょっと・・という方にはVoicyとYouTubeでも配信を行いますので、後日案内いたします。
③12月16日 18:00
大相撲トークライブ
(錦糸町すみだ産業会館)
データで振り返る2023年の大相撲を横尾さんと行います。今回のゲストはなかなか面白いですよ。え!?そんな話聞けるの?って方をお呼びしています。